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2008年11月3日(祝・月) 園田競馬場 1870m

 

ダート王の座はゆるがず、一騎打ちで3歳チャンプを下す

 勝ったヴァーミリアンはもちろん強かったが、3歳ながら古馬チャンピオンを相手に堂々と渡り合ったサクセスブロッケンも、負けてなお強し。GI(JpnI)馬5頭が顔を揃えた豪華メンバーでも、やはり注目の2頭は力が抜けていた。園田1870メートルのレコードを0秒6更新する決着も当然の結果だった。
 サクセスブロッケンがハナに立ち、2番手にフリオーソ、そしてヴァーミリアンと続く展開。3コーナー手前でヴァーミリアンが仕掛けると、3〜4コーナーでは、ダート3歳チャンピオン、地方現役最強馬、中央の古馬チャンピオン、3頭が一団となり、スタンドを埋め尽くしたファンの歓声も一気に最高潮に達した。
 直線を向いてもサクセスブロッケンが先頭だったが、すぐにヴァーミリアンが交わして先頭。ここからは2頭の一騎打ち。サクセスブロッケンが一旦は遅れたが、ゴール前差し返す意地を見せた。しかしヴァーミリアンは二度と先頭を譲らず、サクセスブロッケンをクビ差で抑え、JBCクラシックJpnI連覇を果たした。
 そしていつものように後方追走から差を詰めてきたメイショウトウコンがサクセスブロッケンに3/4馬身まで迫る3着に入り、フリオーソは直線後退して4着だった。
 「海外遠征帰りで、小回りで、心配がないわけではなかった」というヴァーミリアンの武豊騎手。しかし石坂正調教師は「休み明けは感じさせなかった。小回りを考えるより、ヴァーミリアンは強いんだと思うことにしていた」と自信を持って臨んでいた。
 わずかアタマ差2着に敗れたサクセスブロッケンの横山典弘騎手にとっては、スタートが痛恨だったようだ。出遅れというほどではなかったが、トモを滑らせてダッシュがつかず。無理せず先頭に立ったようには見えたが、相手がヴァーミリアンでは、やはりそのわずかな不利が最後まで影響したのだろう。
 中央勢や船橋のフリオーソにとっては、経験のない小回りの馬場が、ともすればどんなレースになるのかという不安材料でもあった。しかし終わってみれば、初めて1周1051メートルという園田競馬場で行われたこのレースは、JBC史上に残る名勝負となった。
 ヴァーミリアンはこのあと、ジャパンカップダート、東京大賞典と、昨年同様に秋のダートGI(JpnI)3連勝を目指す。サクセスブロッケンも当然雪辱を期しているだろう。その戦いにはアメリカ挑戦を続けたカジノドライヴも加わるかもしれない。地方の雄フリオーソも巻き返しを狙う。
 今後のダート頂上決戦への期待をさらに高めるJBCクラシックでもあった。

 
武豊騎手
  スタッフが万全に仕上げてくれて、返し馬の感触がすごくよかった。スタートで不安があるのですが、いいスタートがきれました。乗りやすい馬で、小回りもうまくこなしてくれました。復帰を楽しみにしていたので、強いヴァーミリアンが見せられてよかったです。  
 
石坂正調教師
  ドバイからは間隔もあり、去年のJBCクラシックもドバイ以来で強い競馬をしていたので、だいじょうぶだと思っていました。結果を見たらやはり強かったですね。去年の勢いが衰えていないというのが確認できました。
 
 


 


 

取材・文:斎藤修
写真:いちかんぽ


 
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