北海優駿
 

2008年6月3日(火) 旭川競馬場 1,600m

 

楽な手ごたえで直線突き放し、今シーズン無敵の3連勝

 
 旭川競馬場に着いて、まず目に付いたのが「旭川ナイトレース ファイナルシリーズ 長年のご愛顧ありがとうございました」と書かれた横断幕。パドックと表彰式エリアに掛けられていた。これを見て、あらためて今年で旭川の開催が終わってしまうんだという現実を突きつけられた気がした。
 もちろん、この北海優駿が旭川競馬場で行われるのも、これが最後となる。
 例年レベルが高いと言われるホッカイドウ競馬デビュー馬だが、今年の3歳馬は特にその傾向が強く、各地に転出していった馬たちが重賞戦線で活躍している。
 このダービーウイークでも、初日の九州ダービー栄城賞を勝ったオリオンザナイトは、ここ旭川で2歳時にルーキーチャレンジとウィナーズチャレンジを連勝していた。
 このあと行われる東京ダービーでも、有力馬の1頭として数えられたディラクエは、昨年の北海道2歳優駿JpnIIIを制し、全日本2歳優駿JpnIでも2着に入り、NARグランプリの2歳最優秀馬にも選出された。
 北海優駿は、地元にとどまった馬たちの争い。
 冬の間も南関東に移籍して実戦を積んでいたビービーダークライが外枠から果敢にハナを奪った。ダイバクフ、そして1番人気のボクが差なく続いた。
 勝負どころの3〜4コーナーでもビービーダークライが先頭で、外からボクが並びかけた。
 しかし手ごたえの差は歴然。追いどおしのビービーダークライに対し、ボクの佐々木国明騎手は手綱を持ったまま。直線半ばで追い出されると、アッという間に後続を突き放した。
 ボクは、2歳時は重賞で3戦して3、4、3着と勝ちきれなかったが、今シーズンはこれで地元で敵なしの3連勝。
 「去年の今ごろは、ディラクエにはちぎられていたけど、差は詰まってるんじゃないでしょうか」と若松平調教師。
 「ホッカイドウ競馬出身」という言い方で、他地区に転出して活躍している馬ばかりが注目されがちだが、ボクのレースぶりは、ホッカイドウ競馬に残った組も決して劣っているわけではないことを十分にアピールしていた。

取材・文:斎藤修
写真:宮原政典

 
佐々木国明騎手
  去年まではトモが甘くてコーナーであまり動けなかったのですが、トモの力がついてだいぶ動けるようになりました。今シーズンは札幌開催のときよりもさらに大人になって、成長しています。  
 
若松平調教師
  何度かやっているメンバーで、今回は4コーナー手前で勝てるような手ごたえでした。どんな展開でも競馬ができるのがこの馬のいいところ。長い目で見て、秋から来年にかけて全国で通用する馬になればと思います。