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2010年3月22日(振月) 高知競馬場 1400m

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好位から直線突き放す、59キロでも格の違いを見せつける

 第1回のリバーセキトバ以来地方馬の勝利がない黒船賞JpnIIIだが、それでもJRA勢が3着までを独占したのは2000年の第3回のみ。地方勢が馬券圏内に好走することも期待できるレースで、今回は中央から転入初戦の川崎遠征で2着と好走した地元のグランシュヴァリエに期待がかかった。
 しかしやはりといおうか、昨年のJBCスプリントJpnIを制したスーニをはじめとするJRA勢は例年にも増して強力だった。
 3番手のラチ沿いを進んだミリオンディスク、差なく外を追走したスーニ、2頭が4コーナーで抜け出し一騎打ちになるかと思われたが、直線ではスーニが楽々と突き放した。
 2着には1馬身半差で昨年の覇者トーセンブライトが入った。後方4番手を追走し、向正面からまくってくるという展開は、鞍上が替わっても昨年とまったく同じようなレースぶり。しかし今回は、スーニがそれ以上の強さを見せたということだろう。
 地方のダートグレードには初挑戦となったミリオンディスクが3着に粘り、地方勢は4着にアルドラゴン、5着にキングスゾーンと、ダートグレードで実績のある2頭が掲示板を確保した。地元期待のグランシュヴァリエは中団を進んだものの追走に一杯で11着。「今までのレースぶりとは違った」と赤岡修次騎手。これまで1600メートル以上のレースしか経験がなく、それでいてこの路線の一線級が相手ではペースが違ったのかもしれない。

 
川田将雅騎手
  ゲートで待たされたことで、馬が落ち着いてくれました。スタートはあまりよくなかったですが、ズブさを見せながらもいい内容で、今日はレースがしやすかったです。59キロがどうかと思ったんですが、このメンバーでは力が違いました。  
 
吉田直弘調教師
 
  川田騎手なりにうまく乗ってくれるだろうと思っていたので、特に指示はださなかったのですが、期待にこたえてくれました。59キロでも強いレースをしてくれました。次走は大井の東京スプリントを予定しています。
 
 

 59キロでもさすがにJpnI馬という強いレースを見せたスーニは、これでダートグレード4勝目。2歳時は圧倒的なレースぶりで4連勝したが、3歳以降は芝も含めてさまざまな距離を使われ、ときには惨敗も経験してきた。しかしダート1400メートル以下に限れば、7戦5勝、2着1回。唯一連対を外したのは今年1月の根岸ステークスGIIIで、それでも勝ったグロリアスノアからコンマ3秒差の4着は、メンバー中もっとも重い別定58キロでの結果だった。
 スーニは次走、4月7日、大井の東京スプリントJpnIIIを予定しているという。JpnIを勝っているだけに、JpnII・IIIの別定戦では負担重量との戦いともなるだろうが、船橋1000メートルで行われるJBCスプリントJpnIへ向けた今年のダート短距離戦線は、この馬を中心に展開していくことになりそうだ。

取材・文:斎藤修
写真:トム岸田(いちかんぽ)