若駒賞

サッポロ
クラシックC

福山2歳優駿

九州ジュニア
グランプリ

兵庫若駒賞

ゴールド
ウィング賞

ハイセイコー
記念

 

2009年10月27日(火) 荒尾競馬場 1500m

華麗な逃げで牡馬を圧倒、5馬身差で九州の頂点に

 
 「未来優駿」第4戦は、晴天に恵まれた荒尾競馬場での九州地区交流『九州ジュニアグランプリ』。
 単勝1.3倍の圧倒的人気となった佐賀から遠征の牝馬、フレーザーハクユウが内から好スタートで先頭に立つと、スイスイと気持ち良さそうに逃げる展開。2番手には荒尾の大将格レッドエンゼルがつけ、残る佐賀勢の2頭、エンデバーマンボ、ケイエムサンクスが好位に続く。
 勝負どころの3〜4コーナーでは、逃げるフレーザーハクユウがグングンと後続を突き放し、直線に入った時にはすでに5馬身以上の差がついていた。ゴール前も脚色が鈍ることなく、結局5馬身差の圧勝劇。
 2着争いは、内から伸びたケイエムサンクスと、いったん下がりながら二の脚を使ったレッドエンゼルの争いになり、ゴール前もうひと伸びしたケイエムサンクスが、レッドエンゼルに1馬身半差をつけて2着を確保した。
 勝ったフレーザーハクユウは、これで6戦4勝、2着1回。唯一着外になったのは、芝に挑戦したJRA小倉のフェニックス賞のみ。管理する東眞市調教師は、「小倉に遠征したことが大きな強みになってますね。遠征も2度目でスムーズだったし、なにより強い馬たちと戦って、成長してくれました」と語ってくれた。
 圧倒的な1番人気馬を冷静に勝利に導いた山口勲騎手は、「前走は完調手前だったけど、今回は仕上がってたから、自信がありました。人気になっていたけど、プレッシャーはなかったですよ」。いぶし銀という言葉が似合う山口騎手が、自信の表情を見せてくれた。
 フレーザーハクユウのこの日の馬体重は484キロ。前走からは12キロ減となっていた。担当の大久保昭義厩務員は、「ちょっと気の強いところがあって、カイバも細いんですけど、今回の体重減は仕上げたからで、もともとこのくらいなんです。初めて見た時から、皮膚が薄くて柔らかい筋肉をしている馬でした。男馬相手によく頑張ってくれましたね」と、愛馬の頑張りを称えた。この後は、11月22日の佐賀・九州ジュニアチャンピオンを目指す予定。
 2着のケイエムサンクスも、佐賀からの遠征馬。騎乗した新原健伸騎手は「初めての遠征でしたが、イレ込みもなく、力を出してくれました。これからまだまだ伸びる馬ですよ」と話してくれた。
 荒尾勢最先着は、レッドエンゼルの3着。手綱を取った松島慧騎手は、「佐賀勢に独占されて悔しいです。これからもっと成長して、いつか佐賀の馬を負かしたい!」。そう悔しそうに語ったけれど、キャリア3戦目での重賞挑戦で、改めてこの馬の強さを感じたレース内容だった。
 福山2歳優駿に続いて、九州ジュニアグランプリも牝馬が優勝。近い未来に、この馬たちがどんな成長を遂げているのか、楽しみで仕方ない。

取材・文:赤見千尋
写真:宮原政典(いちかんぽ)

 
山口勲騎手
  たまに躓いたりするから、スタートだけ気をつけて乗りました。気分良く行けたから、強い競馬をしてくれましたね。最後は1頭になりましたが、真面目に走っていたし、後ろから馬がくればもっとハミを取りますよ。まだ揉まれる競馬をしたことがないので、今後はそれが課題です。  
 
東眞市調教師
  厩舎に来た時から、跳びが柔らかくて2歳離れしている馬でした。ただその分、早熟なのかなと思ったけれど、こちらが考えている以上に成長してくれました。前向きな性格で、テンションが上ってしまうので、そこだけ気をつけて育てていきたいです。