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連載

クイーン賞〜名古屋グランプリ(第31回)

クイーン賞JpnIII



 ミラクルレジェンドは、逃げたザッハーマインの直後3番手、絶好の位置につけました。外からかぶされるような形になっていたメイショウバトラー、テイエムヨカドーに勢いがあれば外に出すのが難しかったでしょうが、4コーナーで2頭とも後退したので、楽に外に持ち出して、ザッハーマインを差し切ることができました。
 ザッハーマインは的場騎手が出ムチを入れて、最初からハナに行くつもりだったのでしょう。この馬も直線でよく伸びていますが、今回は勝った馬が強すぎました。
 うしろから追い込んできたのはトウホクビジンだけでした。よく3着まで追い込んできたと思います。焦らずじっくり構えていたのが結果につながったのではないでしょうか。
 人気のブラボーデイジーは、ゲートの中でバタバタしていて出遅れてしまいました。それでも1コーナーに入るまでには好位につけました。最後の直線で後退してしまいましたが、おそらく武豊騎手は馬に無理をさせたくなかったのではないでしょうか。



全日本2歳優駿JpnI



 ビッグロマンスは、3番手のリアライズノユメの直後をぴったりマークする位置で進みました。北海道2歳優駿は惜しいところで2着でしたが、今回はかなり力をつけていたようです。
 リアライズノユメは、テンのダッシュもよくて、折り合いをつけ、3番手でいい感じでレースをしていました。4コーナーで先頭に立ちかけましたが、ビッグロマンスに交わされてしまいました。正攻法のレースをしていたので、これで負けたのでは仕方ありません。
 ラチ沿いの4、5番手あたりで一番いい位置につけたのが戸崎騎手のキスミープリンスでした。内をぴったり回ってきて、一番ロスのない競馬をしたのはこの馬です。3着は戸崎騎手の好騎乗だったと思います。
 ガムランは直線で差し切るような勢いでしたが、最後は伸びが足りませんでした。ここまで2戦2勝でしたから、まだキャリア不足だったかもしれません。ただダートではこれから力をつけてくる馬だと思います。
 カネマサコンコルドは3コーナー手前あたりから外に逃げるような感じで、コーナーをうまく回れませんでした。初めての左回りに戸惑ったんだと思います。



名古屋グランプリJpnII



 ワンダースピードは、2番手から強いレースをしました。終始スローペースだったのは、2番手につけたこの馬にとっては絶好の展開になりました。小牧太騎手はこの馬にずっと乗っているだけあって、流れを読んでうまく乗りました。
 マカニビスティーは後方集団を追走していましたが、直線では外からよく追い込んできました。ゴールでは交わしたように見えましたが、惜しいレースでした。ゆったりした流れで力を発揮しました。
 ペースが遅くてほとんどの馬が折り合いに苦労していましたが、一番苦労していたのはマイネルアワグラスでしょう。どこかで一気に行かせてしまってもよかったと思いますが、馬群の内に入って出すところがなかったのかもしれません。ずっと抑えていて、そのままレースが終わってしまった感じでした。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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