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連載

第21回 2010年4月20日 トーセンジョウオー

 現役時代は中央所属時も含めて7つの重賞タイトルを制し、女帝という言葉がピッタリだったトーセンジョウオー。480キロ台で走っていたこともありましたが、最終的には550キロ台。雄大な体から繰り出すスピードあふれる走りは、砂上を魅了し続けました。07年&08年NARグランプリ最優秀牝馬を受賞。
 引退後は、オーナーさんの牧場としても知られる北海道沙流郡日高町のエスティファームで繁殖生活に入り、ついに今年初めてママになったんです!!!

 2月13日の夜、ファンタスティックライトとの間に牡馬が誕生。この写真は2月23日に撮影したもので、まだ生まれてから10日ほど。ママは現役時代から写真撮影は慣れたものでしたが、この仔は初めての経験ということもあって、ジッとしないでチョロチョロと元気いっぱいでした。
 「体型はジョウに似ていると思いますよ。初仔にしては立派なので、これからとても楽しみです」とエスティファーム取締役兼場長の田邉静一さん。
 
 引退が決まって間もなくしてから、一昨年前にも会いに行きました。その時もお腹をふっくらさせて目が優しくなったなぁという印象でしたが、今ではさらにママらしくなったように感じます。馬体重も600キロを超えているのではないかと言われていましたよ。現役時代は牡馬顔負けの雄大な体つきで、「パワーがすごくて牝馬に思えない」と乗り役さんたちによく言われていましたが、今でも種牡馬にヒケを取らないほどの迫力満点の体つきです。

 気は非常に強い馬でしたが(だからこそ、あれだけの成績を収めたのでしょう)、女性や子供にはとっても優しくて、馬房では猫のようにかわいい懐っこさがありました。そんなギャップが見られたことも、取材をさせて頂いたマスコミの一人としてもいい思い出です。

 そんな訳で、母性本能が強い馬という印象があったので、仔馬もすごくかわいがるんだろうなぁと思っていたから・・・やはり的中(笑)。

 「最初はミルクを与えることを嫌がる繁殖牝馬もいるんですが、(トーセンジョウオーは)仔馬を自分の顔で誘導してミルクを与えていました。放牧地でも仔馬の姿が見えなくなるといなないて探そうとするし、母性本能は強いですね。手の掛からない優秀な母親ですよ」と主任の福川浩司さん。根本の優しさは、変わらないものなんですねぇ。
 ジョウちゃんも、ママになったのかぁ・・・。

PS:今年はディープインパクトと種付けを行って、無事に受胎中。夢のような配合、待ち遠しいです。

高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に活動中。

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