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連載

第23回 2010年6月18日 ワールドクリーク

 〜99年東京大賞典、岩手の雄メイセイオペラが敗れたレース〜 そう真っ先に思い浮かべる地方競馬ファンも多いでしょう。

 優勝したのは、中央から参戦した芦毛の新鋭ワールドクリーク。4連勝という勢いを引っ下げて、メイセイオペラや女帝ファストフレンド、南関東の雄インテリパワーやゴールドヘッドなどそうそうたるメンバーを、重賞初挑戦ながらも打ち破りました。
 その後は日本代表としてドバイワールドカップ(6着)に参戦。

 中央転出後は、佐賀と荒尾で走りました。04年大阿蘇大賞典は、東京大賞典以来となる重賞タイトルを手に入れて、地方競馬の仲間としても奮闘し続けました。
 現在では、スマートファルコンの兄としても有名ですね。

 競走生活を終えるとすぐに、長野県佐久市のスエトシ牧場にやって来ました。「この馬のファンが引き取って、うちに連れて来たんです。馬体は良い馬だなぁと思いましたが、右前脚の球節が腫れている状態でした。今も人を乗せることはできないんですが、元気にしていますよ」と専務取締役の藤原直樹さん。

 軽井沢にほど近いこの牧場は、馬の養老院牧場として、サラブレットやミニチュアホースなど80〜90頭が余生を過ごしています。「標高1000mにあって、南向きで日当たりが良いし、遠くに山々が見えて緑に囲まれているんです。非常に過ごしやすい環境なので、馬たちも落ち着いて癒されていると思います」(藤原さん)。
 過去には、メリーナイスやメジロデュレンがいたことでも知られていますが、ワールドクリークも悠々自適な毎日を送っているそうです。

 「カリカリした所がないので性格的にはおとなしいですね。食欲は旺盛だし、これまで風邪を引いたり疝痛もないので、獣医さんに診てもらったことがないんです。脚元は冷やしてあげてケアはしています」(藤原さん)。

 15歳になったワールドクリークは、すっかり真っ白な毛並みになりました。「これまでうちにいた馬の最高齢は32歳で、今も30歳を超えているのは3頭いるんです。馬たちも安住の地ということがわかっているんだと思いますよ。ワールドクリークにも長生きして欲しいですね」(藤原さん)。

 スエトシ牧場は馬の養老院牧場をメインに、動物たちとのふれあいコーナーや出張ふれあい動物園、乗馬クラブやファームステイなど、週末を中心にたくさんの人たちでにぎわっているそうです。また、オグリキャップの1番仔としても有名になったオグリワンも余生を送っています。詳しいことは、スエトシ牧場のホームページを覗いてみて下さい。

高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に活動中。

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