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第31回 2011年2月18日 ミツアキサイレンス

 「エイシンサンディの初仔だし、馬っぷりが良いから走るんじゃないかなと思いました。セリで競ってくる人もいたんですが、この馬をどうしても欲しかったんです」とミツアキサイレンスのオーナー山本光明さん。1998年の北海道10月市場で、当時1歳だったミツアキサイレンスに一目惚れをしたそうです。

 笠松の粟津豊彦厩舎に所属し、現役時代の活躍はあまりにも有名ですね。00兵庫チャンピオンシップ、01&02佐賀記念、01名古屋グランプリといったダートグレードレースをはじめ重賞レースを10勝。00NARグランプリサラブレット系3歳最優秀馬にも輝きました。

 さらに、02阪神大賞典でナリタトップロードの0.3秒差の4着に入ったことも大きなインパクトを与え、芝にダート、短距離から長距離までオールマイティな活躍を続けた地方競馬を代表する名馬でした。

 「地元の重賞を勝たせてもらったことはありましたが、よそまで行って大きな重賞を勝つことはなかなかないですからね」(山本オーナー) 山本オーナーにビッグレースを勝つ喜びを、最初に教えてくれたのがミツアキサイレンスだったそうです。

 06佐賀記念(8着)を最後に9歳で現役を退き、優駿スタリオンステーション(新冠町)で種牡馬入りをしましたが、現在は山本オーナーが開場したミツアキ牧場(新ひだか町)に移動して種牡馬生活を続けています。

 初年度産駒は現在3歳で、5頭が笠松を中心にデビューしています(そのうち1頭は兵庫)。

 昨年11月12日の笠松競馬場1レースで、愛息ミツアキビリーブが優勝し、記念すべき産駒初勝利を挙げました。「あれだけ走ってくれた馬の子供を作りたいと思って種牡馬にしたので、子供も勝ってくれて本当にうれしかったです」(山本オーナー)

 現役時代から気性の激しさは天下一品だったそうですが、14歳になった今も変わらないようです。つい数日前に山本オーナーが会いに行ったそうですが、「怖くて触れませんでした(苦笑)」とのことで……。

 ミツアキ牧場のお手伝いをしている80歳現役バリバリの佐藤英雄さんも「いつも放牧地に連れていくときは引きずられていくよ」と言っていて、健康状態も良好で相変わらず元気いっぱいのようです。

 「サイレンスとタービン、子供たちに会いに行くのが楽しみなんです。道楽ですね」と、最後に山本オーナーはとてもうれしそうにお話しをしていました。

 今年5月には3歳世代以来となる産駒が3頭産まれる予定で、先月ご紹介したミツアキタービンの初めての子供たちと一緒に、ミツアキ家はにぎやかなシーズンになりそうです。


高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に活動中。

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