第62回全日本2歳優駿(JpnT) 参考レース&注目馬解説

2011年12月12日
第62回全日本2歳優駿(JpnT)
2011年12月14日(水)川崎競馬場 1,600m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

鎌倉記念(11年10月05日|川崎)
 1着:ニシノファイター
 10着:ヘヴンズパワー
 雨の不良馬場に加え、ゲート入りを嫌がる馬がいて多くの馬がゲート内で長時間待たされるなど波乱要因の多かったレース。好スタートから逃げたヘヴンズパワーが1コーナーで外に逸走気味になり、先行勢何頭かがその影響を受けた。北海道から遠征した3頭の中では唯一伏兵扱いだったニシノファイターが中団からレースを進め、3〜4コーナーで進出すると、直線粘るルイクリスタルラヴ、クリヤマキアートらを振り切って勝利。逸走したヘヴンズパワーはレースにならず10着。

北海道2歳優駿JpnV(11年11月10日|門別)
 1着:オーブルチェフ
 6着:ゴールドメダル
 単勝元返しのオーブルチェフは抑えきれないような手ごたえで、逃げたダブルスターの直後2番手を追走。直線を向いて追い出されるとあっという間に後続を突き放し、最後は流すようにしてゴール。2着のベルモントレーサーに8馬身差をつける圧勝となった。2番人気ゴールドメダルは、勝ち馬をすぐ前に見てラチ沿いを追走したが、直線は伸びずオーブルチェフから2秒5離されての6着だった。

南部駒賞(11年11月13日|盛岡)
 1着:アスペクト
 2着:ヘヴンズパワー
 好スタートからハナを切ったのは北海道から遠征のヘヴンズパワーで、地元期待の1番人気アスペクトは5馬身ほど離れた2番手を追走。3番手以下はさらに離れた。3〜4コーナーでアスペクトが半馬身ほどの差まで迫ったが、直線を向くとヘヴンズパワーが再び差を広げた。しかしゴール前でアスペクトが一瞬の末脚を発揮し、ヘヴンズパワーをハナ差とらえたところがゴール。3着に入った北海道のカンタベリーナイトには5馬身差がついた。

兵庫ジュニアグランプリJpnU(11年11月23日|園田)
 1着:ゴーイングパワー
 3着:エーシンユリシーズ
 最内枠からフリスコベイがハナを切り、ゴーイングパワーが併走するように2番手を追走。人気のシェアースマイルは3番手から、地元期待のエーシンユリシーズは中団5番手を追走した。直線半ばでゴーイングパワーが前を交わすと、差を広げて勝利。フリスコベイが3馬身半差の2着に粘り、直線で鋭い伸びを見せたエーシンユリシーズが半馬身差の3着に入った。



<注目馬解説>

アスペクト(岩手)
 母のアプローズフラワーは、岩手所属で南部駒賞、東北サラブレッド(旧)3歳チャンピオンなどを制した東北地区の2歳チャンピオン。盛岡の芝では3戦して4着が最高という成績だが、地元盛岡のダートに限れば、未来優駿・若駒賞などを含め、2着馬に1秒以上の差をつける圧勝続きで連勝。前走、南部駒賞では逃げたヘヴンズパワー相手にてこずったものの、それでもゴール前で一瞬の末脚を見せて差し切り、地元のダート無敗を守った。

ヴェアリアスムーン(JRA)
 函館ダート1000メートルの新馬戦は2番手から直線で先頭に立って勝利。続く芝のデイリー杯2歳ステークスGUは8着だったが、ダートに戻って京都1200メートルの500万下では、4コーナーやや離れた3番手から接戦を制した。ダートでは2戦2勝だが、初めての左回りに加え、芝のレースだったとはいえ勝ち馬から1秒4離された1600メートルの距離が課題となりそう。

ゴールドメダル(北海道)
 門別1200メートルのフレッシュチャレンジを勝ち、2戦目の1700メートルのオープンは、その後重賞戦線で善戦を続けるシーキングブレーヴに3/4馬身差まで迫って2着。1200メートルに戻ったイノセントカップを逃げ切って重賞制覇を果たした。1700メートルのサンライズカップでは惜しくもハナ差2着。前走が北海道2歳優駿JpnVでオーブルチェフの6着。初めての小回り&左回りの川崎コースをこなせるかで、上位争いに加われるかどうか。

タイセイスティング(JRA)
 デビュー4戦目の札幌ダート1700メートル戦で、中団から徐々に位置取りを上げ直線抜け出して初勝利。前々走のプラタナス賞ではオーブルチェフに1秒6差をつけられての5着と完敗だったが、前走東京ダート1600メートルのからまつ賞では、直線、1番人気のヴィンテージイヤーとともに伸び、これをハナ差でしりぞけての勝利。1戦ごとに確実に力をつけてきている。

ヘヴンズパワー(川崎)
 門別1000メートルのフレッシュチャレンジでは2着を8馬身ちぎって圧勝。2番人気と期待された鎌倉記念では、1コーナーで逸走する気の悪さを見せてレースにならず10着。しかし門別に戻って1200メートルの2歳オープンをきっちりと勝った。盛岡に遠征した南部駒賞では、逃げ切ったかと思ったところアスペクトにゴール前で交わされて2着。今回が川崎に移籍しての初戦で、地元南関東からは唯一の出走となる。

ゴーイングパワー(JRA)
 芝の新馬戦を勝ち、その後も小倉2歳ステークスGV・5着、続くオープン、500万下でもともに2着と、芝で善戦してきた。前走の兵庫ジュニアグランプリJpnUは初めてのダートにもかかわらず、2番手追走から逃げていたフリスコベイを直線で交わして完勝。近親にダートグレード6勝のクーリンガーがいるなど、母系はダートでの活躍馬が多い。ダートで本領発揮だが、父がサクラバクシンオーで距離が課題か。

エーシンユリシーズ(兵庫)
 阪神ダート1200メートルの新馬戦を勝った直後に兵庫に移籍という異色の存在。園田初戦となった2歳戦で2着に3馬身差をつける快勝。狙っての移籍だったという兵庫ジュニアグランプリJpnUでは、中団から直線鋭く伸び、勝ったゴーイングパワーから3馬身半+半馬身差の3着と好走。今回はさらに手強い相手となるが、上積みがあれば上位争いも。父サウスヴィグラス、母父エイシンワシントンという血統で距離延長はやや不安。

オーブルチェフ(JRA)
 芝の新馬戦こそ6着に敗れたが、未勝利、500万特別のプラタナス賞、そして北海道2歳優駿JpnVと、ダートではいずれも一方的なレースで3連勝。中山ダート、東京ダート、そして門別と、右回り、左回り、そして地方への遠征と、さまざまな環境をこなし、距離的にも1600〜1800メートルを使ってきているだけに、死角になりそうな点はほとんどない。ここを勝てば来年はドバイのUAEダービー挑戦が計画されているほどの期待馬。


文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(12月12日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。