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第10回 2012年7月10日(火) たまごかけごはん(船橋競馬場)

船橋競馬場
「加納兄弟」 たまごかけごはん(200円)

 船橋競馬場でどうも気になって仕方がなかったメニューがある。それは、スタンド1階にあるラーメン店「加納兄弟」に、写真とともに掲示されている「たまごかけごはん」。ホカホカのごはんになまたまご、そしてしょうゆ……。このコラボレーションに日本人であることの幸せを感じたことがある人は、軽く1億人を超えるのではなかろうか。もちろん私もそのうちのひとりである。
 そんな基本中の基本といえる日本食が船橋競馬場にあるのだ。私が最初にそれを発見したのは最終レース後だったから、そのときは食べることができなかった。というわけで、今回の船橋競馬場出撃は「たまごかけごはん」を食べることがメインイベントになっている。
 しかしながらここはそもそもラーメン店だから、たまごかけごはんだけを注文するのはちょっと気がひける。そう思ったので、ラーメン(600円)も一緒に注文することにした。
ラーメンどんぶりで提供されるたまごかけごはん
 ほどなく2品が完成。まず、たまごかけごはんがラーメンどんぶりで出てきたことに意表を突かれた。そしてたまごは割って落としたままの状態でごはんの上に鎮座。これは自宅で食べるのとは違う、まさに「お店のたまごかけごはん」って感じだなあ。
 でもそれはひとまずお預けにして、最初は濃厚そうなスープに沈むラーメンから食べることにしよう。うーむ、これは普通に国道沿いとかで出店してもファンがつきそうな味わいだぞ。複雑な要素が絡み合って深みがあるスープもたっぷり堪能して、さあ、メインディッシュのたまごかけごはん!
 どうやって食べれば最高にウマくなるのかと少し考えたが、とりあえずたまごを軽くほぐして魚粉と高菜を乗っける形を選んで最初の一口。おお、今まで私が食べてきたものとは種類が違うたまごかけごはんだ!
「しょうゆは普通のしょうゆではなくて、ラーメンスープの素なんですよ。一緒にラーメンにも入れている魚粉を添えています」
 と、店長。通常は5階の特別観覧席にある「加納食堂」で調理しているそうだが、開催日だけ1階でラーメン店を運営しているそうだ。
 いやあ、しかしこれは小腹を満たすのには最適なアイテム。これがあるから船橋競馬場に来ようというモチベーションにさえつながる逸品だ。でもちょっと気になることが。たまごかけごはんだけを注文する人もいるんじゃないですか?
ぜひラーメンも一緒に
「はい、いますよ。毎日たまごかけごはんだけを食べていく常連さんもいらっしゃいます。正直、それだけを注文されると経営的には微妙なんですけれどね」
 と、苦笑い。なるほど、それはそうだよなあ。でもウマくて安くて量的にも手頃だから、ついついこれだけを食べたくなる人の気持ちもわかる。とはいっても、メインメニューのラーメンだってクオリティはかなり高い。ということで、私からはラーメンとたまごかけごはんをセットで注文することをオススメいたします!

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。


※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。