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第12回 2012年9月10日(月) カツ丼(盛岡競馬場)

盛岡競馬場
「まんぷく道場」 カツ丼(500円)

 盛岡競馬場の飲食店街といえば、パドック近くにある屋台村。その建物のなかには店が一列に並んでいるが、馬場からみていちばん奥にあるのが、「元祖・ジャンボ焼き鳥」の店。そのとなりには「まんぷく道場」の看板がある。運営はとなりの店と同じだが、こちらは「モツ煮丼」などのご飯ものが提供されている。
カツ丼
 そのカウンター前に置かれているのが、カツ丼弁当。これがかなりずっしりという重量感で、看板に偽りなしとはまさにこのこと、という状態になっているのである。
 というわけでさっそく、「競馬場に来ると歩きっぱなしだし、それならカロリーオーバーで上等だ」という強い気持ちでカツ丼弁当を手にすると、
「お弁当じゃなくて、これから作るカツ丼もあるんですけど、どうですか?」
 と、カウンターのなかから声がかかった。
 そうですか、じゃあそっちで……とあっさり方針転換して、席に座って待つこと5分。「できました~」の声を受けてカウンターに取りに行くと、見た目に清く正しいニッポンのカツ丼ができているではありませんか。
ジャンボ焼き鳥丼
 厚みがあるカツには下味がしっかり。トンカツを卵でとじるって誰が考えついたんだろうと、いにしえの偉人に感謝する気持ちさえ湧いてくるカツ丼を食べて、幸せいっぱい。写真だとごはんが少なめに見えるけれど、じつはけっこう入っている。競馬場で勝負するならカツ丼でゲンをかついでいかないと!
 と、いろいろな思いをめぐらせながら箸を進めていくと、向かいに座った「日本一ビッグなトラックマン」こと、ケイシュウNEWSの峯村正利さん(体重150kg=本人申告)が新たなどんぶりを持ってきた。峯村さん、さっきドンブリメシを平らげたばかりじゃないですか……。てか、それ何ですか?
「これですか? 裏メニュー。ごはんの上にジャンボ焼き鳥をのせてもらったんですよ」
 ええ? そんな食べ方もアリですか?
 店のご主人に確認してみると、正式なメニューではないけれど、頼まれれば提供するというものらしい。なるほど、これもおいしそうで、こちらも店名のとおりに満腹になりそうだ。といっても競馬場は本来、戦いの場所。おなかいっぱいになりすぎると頭の回転が鈍るかもしれないから、ほどほどに……

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。


※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。