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第45回 2012年4月20日 ブライアンズロマン

 地方競馬でいち時代を築いた栃木の怪物ブライアンズロマン。現在の国内サラブレッド最多勝記録はオリジナルステップ(高知)の45勝ですが、それ以前はブライアンズロマンの43勝でした。その中には98さくらんぼ記念などの数々の重賞タイトルも含まれています。「従順で乗りやすいので、行こうと思えば行けてためようと思えばためられる自在な脚質でした。頭のいい馬でしたね」と長きに渡ってコンビを組み続けた内田利雄騎手は言います。

 「内田さんが会いに来てくださったときはロマンもうれしかったと思いますよ。引退した後もかかわっていた方が会いに来てくれるのは馬も幸せです」と荒木貴宏さん。現在は荒木克己育成牧場(新ひだか町)で功労馬として過ごしています。種牡馬のオリオンザサンクスを筆頭に功労馬のトーシンブリザードやエスケープハッチ、ネーハイシーザーなどが繋養されているお馴染みの牧場さん。この豪華な馬たちが放牧地に並んでいる姿は、何度見ても競馬ファンにはたまらない空間です。

 ブライアンズロマンは早いもので今年21歳になりましたが、食欲も旺盛で至って健康体だそうです。「トーシンがおもしろがってロマンによくちょっかいをかけるんですよ。サンクスはマイペースな性格なのでケンカにならないんですが、ロマンは挑むので(笑)。トーシンとロマンが威嚇し合いながら放牧地で一緒に走っていることもあるんですが、自分で体を作っている感じで筋肉も落ちていませんよ。現役にすぐに戻れそうです」(荒木さん)

 ブライアンズロマンは現役引退後種牡馬生活に入り5世代の産駒を残しました。最後の仔ラストロマンスが現在南関東で活躍中です。一昨年暮れから一度も掲示板を外したことがない堅実さはセールスポイント。お父さんと比較するのはかわいそうですが、お父さんのように息長く現役生活を続けて欲しいと思います。

 ブライアンズロマンは種牡馬生活卒業後もセン馬にならずに牡馬のままなので、牝馬を見ると今も元気いっぱいに反応して気持ちは若々しいそうです。ブライアンズロマンの会というファンの有志が馬主となって支え続けていて、近況などは随時このページ(http://www.intaiba.net/briansroman/)で紹介されています。

 「疝痛などは嫌なのでうちの馬たちは腸に優しい食べ物を与えています。少しでも長生きして欲しいですし、毎年200人くらいのファンの方がお見えになるのでいつも健康で元気いっぱいな所を見て頂きたいです」(荒木さん)

 荒木克己育成牧場の見学については競走馬のふるさと案内所のホームページをご覧ください。(http://uma-furusato.com/


高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に活動中。
・南関魂
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・船橋競馬を愛する100人の会