当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第64回全日本2歳優駿(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2013年12月17日
第64回全日本2歳優駿(JpnⅠ)
2013年12月18日(水)川崎競馬場 1,600m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

プラタナス賞(13年10月12日|JRA東京)
 1着ダイチトゥルース
 先行馬総崩れという流れで粘っていたのは、その後北海道2歳優駿JpnⅢでも2着に粘るアースコネクター(3着)のみ。単勝11番人気と評価の低かったダイチトゥルースは4コーナーでもまだ最後方。迷わず大外に持ち出すと、全馬15頭をゴボウ抜き。3番手追走から単独で先頭に立っていたアースコネクターを残り100メートルあたりで交わし去ると、余裕の手応えのままゴール。やはり後方から追い込んできたセイウンクロスに2馬身差をつけての完勝となった。

ハイセイコー記念(13年10月16日|大井)
 1着ブラックヘブン
 2番人気のブラックヘブンは、スタート後は4、5番手あたりだったものの、向正面に入ると外の3番手まで押し上げた。目標はすぐ前、1番人気のジュリエットレター。3~4コーナーでこれに並びかけ、直線を向いて叩き合いとなったが、残り150メートルあたりで競り落とすと、外から迫った3番人気ドラゴンエアルを1馬身差で振り切っての勝利となった。

平和賞(13年10月30日|船橋)
 1着ナイトバロン
 5着エスティロックオン
 7着エスティドゥーラ
 12着パドドゥ
 1番人気ファイトが好スタートからハナを切り、2番手にエスティドゥーラで、4頭ほどが競り合うのを前に見て、ナイトバロンは無理せず先行集団のうしろ、5、6番手あたりを追走した。4コーナー手前でうしろからくる馬を確認して外に持ち出されると、勢いを失くした先行勢を抜き去り、単独で先頭に立っていたファイトを残り100メートルあたりでとらえ、そのまま突き放して最後は余裕の手応えでのゴール。エスティロックオンは5着だが、ナイトバロンからは12馬身ほども離されていた。

北海道2歳優駿JpnⅢ(13年11月7日|門別)
 1着ハッピースプリント
 9着サーモピレー
 逃げたのはアースコネクターで、サーモピレーは差なく3番手を追走、単勝1.5倍の断然人気に支持されたハッピースプリントは中団よりうしろから。4コーナーでサーモピレーが前に並びかけたが、大外を回して手ごたえ十分のまま進出してきたのがハッピースプリント。直線、単独先頭で粘っていたアースコネクターを残り200メートルあたりでとらえると、これに2馬身差をつけての完勝。先行勢で粘ったのはアースコネクターのみで、サーモピレーは直線勢いをなくして9着だった。

もちの木賞(13年11月16日|JRA京都)
 1着メイショウイチオシ
 逃げたのは1番人気のタガノハヤテで、互角のスタートを切ったメイショウイチオシはこれをマークするようにぴたりと外の3番手につけた。直線を向いても先頭はタガノハヤテで、最後の3ハロンは36秒を切る緩みのない流れのまま押し切りを図ったが、メイショウイチオシはこれを楽にとらえて1馬身1/4差をつけて勝利。勝ちタイム1分51秒7は、京都ダート1800メートルの2歳コースレコードとなった。

兵庫ジュニアグランプリJpnⅡ(13年11月28日|園田)
 1着ニシケンモノノフ
 2着マキャヴィティ
 6着スザク
 8着カツゲキイチバン
 10着パドドゥ
 1番人気スザクが3番手からレースを進め、僅差2番人気のニシケンモノノフはこれをマークするように4番手の外めを追走した。2頭の馬連複は1.3倍で、この2頭の一騎打ちかに思われたが、3コーナー過ぎで明暗が分かれた。手応え一杯で徐々に後退したスザクに対して、ニシケンモノノフは満を持して追い出されると、前を行く2頭を直線半ばで楽にとらえ、中団から徐々に押し上げてきたマキャヴィティを半馬身差でしりぞけての勝利となった。



<注目馬解説>

ダイチトゥルース(JRA)
 芝では結果を残せず、ダートに替って5着、4着のあと、未勝利から前走プラタナス賞と連勝。距離を1600メートルに伸ばした前走で見せた、最後方から直線一気の長く使える脚は驚異。川崎で同じように直線一気は難しいだろうが、中山1200メートルでの未勝利勝ちではスタートダッシュはイマイチも、3コーナーでは5番手まで進出し、直線抜け出しというレースをしていた。今回、最内枠からのスタートで好位につけ、小回りのコーナーをうまく立ち回ればチャンスはある。


ブラックヘブン(大井)
 新馬戦は差のある3着だったものの、同じ大井1400メートルの2戦目ではタイムを一気に3秒も縮め2着に8馬身差をつける圧勝となった。前走ハイセイコー記念では、門別・ブリーダーズゴールドジュニアカップ3着などの実績で1番人気に支持されたジュリエットレターと叩き合い、競り落としての勝利。1600メートルの距離は問題なく、左回りに変わる初めての川崎コースでどんなレースを見せるか。


サーモピレー(船橋)
 デビューから2連勝は、2着に7馬身差、6馬身差と圧倒的なレース。1番人気で臨んだイノセントカップは、ニシケンモノノフのレコード駆けに1馬身半差屈しての2着だった。前走北海道2歳優駿JpnⅢでは、4コーナーで先頭に並びかける場面はあったものの、直線失速。今回は、ホッカイドウ競馬から船橋・川島正行厩舎へ転厩しての初戦。初めての左回りと、前走の内容から距離も課題となるかもしれない。


スザク(JRA)
 芝のデビュー戦では4着だったが、ダートに替って2着のあと、未勝利から500万下と連勝。前走兵庫ジュニアグランプリJpnⅡではニシケンモノノフと人気を分けあって単勝1番人気に支持されたものの、3コーナー過ぎからついていけず6着に沈んだ。とはいえ、輸送でイレ込んだのが原因とのこと。この1戦だけでは見限れず、パドックの気配には注意したい。


ナイトバロン(船橋)
 フレッシュチャレンジ勝ちのあとの2歳オープン戦ではサーモピレーに6馬身差をつけられての2着。続くウィナーズチャレンジも2着だったが、そのときの勝ち馬ダンスパフォーマーは、その後サンライズカップでハッピースプリントの3着と好走していた。船橋・出川克己厩舎への転入初戦となったのが前走の平和賞で、4コーナーではやや外に膨れ気味になるところもあったが余裕の勝利だった。コーナーのきつい川崎コースは不安だが、鞍上の本田正重騎手によると「まだまだ途上」とのことで、さらなる上積みの可能性はある。


メイショウイチオシ(JRA)
 デビュー戦5着のあと2連勝。ここまで3戦はいずれもダート1800メートル戦。前走もちの木賞は、馬体重プラス16キロながら、好位追走から直線抜け出してレコード勝ち。一戦ごとの充実ぶりが目立つ。初めての関東圏への輸送に加え、左回りも初めて、500キロを優に超える大型馬で小回りの川崎コースをどう乗りこなすかなど課題は少なくないが、父メイショウボーラー譲りのスピードは魅力。


ニシケンモノノフ(JRA)
 デビューはホッカイドウ競馬で、惨敗したのは芝への挑戦のみ。1200メートルのイノセントカップでのレコード勝ちを最後に中央入り。京都ダート1200メートル戦を4馬身差の完勝で臨んだのが、前走の兵庫ジュニアグランプリJpnⅡ。ゴール前ではマキャヴィティに半馬身差まで迫られたが、ここを目標にあえて控える競馬をしてのもの。道営時代に1700メートルでの勝ち星もあり、父メイショウボーラー、母父アフリートという血統からも、ダート1400~1600メートルがもっとも力を発揮できる舞台であろう。


マキャヴィティ(JRA)
 兵庫ジュニアグランプリJpnⅡは、初ダートに加え新潟2歳S・16着以来3カ月ぶりの実戦だっただけに人気にはならなかったものの、中団から徐々に位置取りを上げてニシケンモノノフに半馬身差まで迫って2着。ダートにも適性があることは確かで、叩き2戦目の上積みと成長があれば逆転の場面があってもおかしくはない。川崎コースで戸崎圭太騎手というのも大きなアドバンテージ。


ハッピースプリント(北海道)
 断然人気に支持された北海道2歳優駿JpnⅢでも宮崎光行騎手の自信を持ったレースぶりで完勝と、ここまでダートでは4戦全勝と底を見せていない。JRA函館の芝にも挑戦し、2戦とも5着だったものの、勝ち馬からはそれぞれ0秒8、0秒7差とそれほど差はなく、芝をこなすスピードも持ち合わせている。右回りしか経験のない道営所属馬は、例年初めての左回りと川崎のきついコーナーが課題となるが、2週間ほど前から川崎に入厩して調整が行われるなど準備に抜かりはない。



12年全日本2歳優駿 サマリーズ号(Photo:いちかんぽ)

文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(12月17日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。