レースハイライト タイトル


2013年12月12日(木) 園田競馬場
ファイティングジョッキー賞
エキサイティングジョッキー賞
チャンピオンジョッキー賞

第1戦 ファイティングジョッキー賞

第2戦 エキサイティングジョッキー賞

第3戦 チャンピオンジョッキー賞

1番人気馬を勝利に導いた3名が上位独占
今年はJRA所属で出場の戸崎騎手が優勝

 第22回ゴールデンジョッキーカップが行われたこの日の園田競馬場は、朝から青空が広がるすがすがしい天気。しかし第1レース時の気温は7度と、日陰では震えがくる寒さだった。加えて終始、4コーナーに向かって強い風が吹くコンディション。それも影響したのか観客の出足は鈍く、第6レース後に行われた騎手紹介式のときでも、出場騎手の前の人垣は一重二重という状況だった。
 それでも参加する騎手にとって、この3戦はエキサイティングそのもの。第1戦のファイティングジョッキー賞でそれぞれの馬にまたがった11名の騎手は、一様に口を真一文字に結んで、気合の入った表情で本馬場へと散っていった。
 さてゴールデンジョッキーカップは、本来なら12名で争われるはずだった。しかし今回は、出場予定の今野忠成騎手(川崎)が前日の浦和競馬で落馬し、肋骨を数本折る大怪我をしてしまった。その状況に主催者側は、今野騎手が欠場となっても12名の騎手で争われるように調整を図ったそうだ。しかし最終的には『ゴールデンジョッキーカップ実施細目』に記載されている『出走すべき馬の確定後に騎手が事故等により騎乗できなくなった場合は出走頭数を減じ実施する』という一文によって、代わりに誰かを手配するのは叶わないことになった。そのため、各レースで今野騎手が乗るはずだった馬はすべて競走除外という措置に。これを受けて主催者側からは「来年以降はこの項目を削除して補欠騎手を用意できるように」という声が聞かれたので、改善が期待できることだろう。
 ただ、ゲートが開けばトップジョッキー同士が激しくせめぎ合うのは変わらないところ。横一線のスタートから始まった第1戦の先行争いは、見た目にも厳しい流れになった。単勝1番人気のセイウンラードゥガに騎乗した赤岡修次騎手(高知)はその展開に乗り遅れたが、徐々に順位を上げてゴール直前で差し切り勝ち。2着には2番手を進んだ内田博幸騎手(JRA)のブラックシャリオが入り、岩田康誠騎手(JRA)のフロレンティナが3着に流れ込んできた。
 「いやあ、ゲートでとなりの馬がうるさかったので行けなくて。でも逆にそれがよかったのかも」。赤岡騎手は笑顔でそう話していたが、ほかの騎手はほとんど無言。例年より緊張感が高いような雰囲気が感じられた。
 それでも岩田騎手のミッキーハンターが制した第2戦が終わると、検量室はがぜん活気を帯びてきた。このレースで2着だった田中学騎手(兵庫)は、新聞記者から現時点で5位であることを聞いた瞬間に表情が明るくなって「よおし、頑張るぞ」と一声。3着だった戸崎圭太騎手(JRA)もポイント表を確認し、そのほかの騎手も優勝が狙えるのかどうか、チェックしている姿が多く見られた。
 ただし、最終戦となるチャンピオンジョッキー賞は、出走馬のほとんどが差し、追い込みタイプで、展開的にむずかしい一戦。前走で1コーナーを4番手以内で通過していたのは岡部誠騎手(愛知)のウォーターアースだけであり、このレースでも同馬が単騎で逃げる形になった。
 その流れに的場文男騎手(大井)は、「引っ張りきれないから早めに行ったよ」とスピードを上げ、1周目のゴール地点では先頭に。その的場騎手を戸崎騎手がピッタリとマークして、レースは2周目へと入っていった。
 そしてそのあたりから後方勢が追撃開始。スローペースは激流へと変化したが、大井競馬場で腕を磨いた2人が作った展開は余力を十分に残していた。最後は順位が入れ替わり、戸崎騎手が1着で、的場騎手が2着をキープ。3着には向正面で3番手に上がった田中騎手のマイネキラが粘り込み、ゴール前でなだれこんできた差し馬は4着までが精一杯だった。
 その結果、第2戦までに20ポイントを獲得していた戸崎騎手が1着の20ポイントを加算して優勝が確定。第2戦を終えた時点で1位だった岩田騎手は7着で、合計39ポイントとなって第2位となり、赤岡騎手は37ポイントで第3位と、勝利を挙げた騎手が表彰台に上がるという結果になった。
 それにしても、上位の3名は3戦とも7着以内に入っており、ポイント制のレースでは大きい着順を取らないことが重要だと改めて感じさせられた。また、3つのレースとも単勝1番人気馬が勝ち、配当的に大きな波乱がなかったのは、名手たちが各馬の能力をきっちりと発揮させたがゆえの結果だといえるのかもしれない。
 しかしながら、これほどの騎手によるハイレベルな争いを現地で堪能したのが、わずか2600名余りというのはいかにも寂しい。この日の園田競馬の総売得金額は昨年よりおよそ6千万円増えたが、入場人員は350名ほど減っている。日程の都合等もあるのだろうが、来年以降はもっとたくさんのファンに豪華メンバーの競演を見てもらいたいものである。


取材・文:浅野靖典
写真:宮原政典(いちかんぽ)、NAR


総合優勝
戸崎圭太騎手
(JRA)
ポイント制のレースというのは普段のレースとは違って、相手のこともありますし、面白いですね。最後のレースの馬はメンバー的に能力が上かなと感じていたので、自分がしっかり騎乗できればと思っていました。ペースが遅かったですが、前に馬を行かせてうまく流れに乗れましたね。それがこういう結果につながってよかったです。
総合2位
岩田康誠騎手
(JRA)
最後がもうすこし前の着順だったら優勝していたんだよなあ……。第3戦は勝負に行くレースをしたんですが、ちょっと苦しくなってしまいました。去年も2位で今年も2位というのは中途半端ですよね(笑)。でも今年もやっぱり楽しかったです。
総合3位
赤岡修次騎手
(高知)
ワールドスーパージョッキーズシリーズ(2007年)でも3位でしたし、どこでもこんなもんなんですよ(笑)。第3戦は最後方からじゃなくて、もう少し前で進めたかったんですけれど、もしそうしていたら着順がもっと悪かったかもしれませんし、難しいところでしたね。でも表彰台に上がれたから満足です。