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JBCレディスクラシック~兵庫ジュニアグランプリ(第66回)

JBCレディスクラシックJpnⅠ

 メーデイアは、スタート後の直線では4番手あたりでしたが、逃げたトシキャンディのうしろ、2番手を取りにいきました。おそらく馬群に包まれるのを嫌ったのでしょう。道悪でも苦にせず、もはや牝馬同士だと相手はいないという強さです。
 アクティビューティは外枠からのスタートでしたが、内に入れていきました。メーデイアをマークしに行ったのでしょう。あまり外を回したくなかったというのもあったかもしれません。メーデイアには完敗でしたが、吉田隼人騎手はうまく乗っていると思います。

JBCスプリントJpnⅠ

 エスポワールシチーは、クラシックではなくスプリントのほうに出走してきました。かしわ記念や南部杯で強い勝ち方をしていますから、マイルくらいが一番合っているのでしょう。2100メートルでは少し長いという判断だと思います。外枠は、この馬にはよかったと思います。セイントメモリーとセイクリムズンを行かせて、好位の3番手を追走することができました。4コーナーで前をとらえて直線抜け出してという、(ダートでは)初めての1400メートルでも強い競馬をしました。
 ドリームバレンチノは、向正面までは外を回っていましたが、3コーナーで中央の有力馬が仕掛けてその後ろが空いたところで、一気にラチ沿いに入れました。そのままうまくラチ沿いの最短距離を通って来ました。これで外を回した馬とは3馬身くらいは違ったと思います。ラチ沿いは普段は砂が厚くなっていると思いますが、馬場が湿って砂が締まっていたのを返し馬で確認していたのでしょう。デムーロ騎手の好騎乗での2着でした。
 セイントメモリーはダッシュよく飛び出して行きました。結果、5着でしたが、ゴール前まで粘ってよく走ったと思います。
 タイセイレジェンドは、東京盃では強い勝ち方をしましたが、今回は見せ場がありませんでした。内の4番手あたり、いい位置を進んでいましたが、この馬は逃げたほうがいいのかもしれません。

JBCクラシックJpnⅠ

 ホッコータルマエはスタートがよかったこともありましたが、最内枠からハナに行きました。道中、耳を立てて走っているので、かなり楽をしています。2コーナーあたりまではスローに落として後続を引き付けて、2コーナー過ぎからは徐々にペースを上げていきました。後続に脚を使わせて、自分のペースに持ち込むと、ついてこられる馬はワンダーアキュートとソリタリーキングだけでした。レース全体を支配して強い競馬をしました。
 ワンダーアキュートは枠順もあったと思いますが、ずっと外を回らされることになりました。それでも最後、ソリタリーキングに迫られましたが、よくしのぎました。2着争いでしたが、日本テレビ盃に続いての2頭の競り合いで、ソリタリーキングもよく走ったと思います。
 クリソライトとハタノヴァンクールは、スタート後からスタンド前まで掛かってしまって力を発揮できませんでした。特にハタノヴァンクールは、あまり小回りの馬場はよくなかったかもしれません。

北海道2歳優駿JpnⅢ

 勝ったハッピースプリントは中団よりうしろからの追走で、かなり余裕がありました。相当に自信を持って乗っていたのでしょう。3~4コーナーでは楽な手ごたえのまま、4頭分くらいの大外から進出してきました。直線で追い出されると前を楽にとらえてという、次元の違う強さでした。全日本2歳優駿に出てくれば楽しみです。
 アースコネクターはマイペースに持ち込んでの逃げで、直後を追走していた馬を直線で突き放しています。勝った馬が強すぎて目立ちませんでしたが、この馬も強い競馬をしていると思います。
 エイシンホクトセイは中団より後ろからの追走でしたが、スタート後の直線から終始ラチ沿いぴったりを回ってきて、ゴール前もうひと伸び。人気はありませんでしたが、3着に食い込みました。阿部龍騎手は本当にうまく乗ったと思います。

浦和記念JpnⅡ

 シビルウォーはスタートでダッシュがつかず、ムチを入れて行く場面がありました。2コーナーを回ったあたりでレースが一気に動いて、シビルウォーの内田博幸騎手は早めに先頭に立ってしまおうと考えたと思いますが、前にいたグランシュヴァリエの外を回ることになりました。対してランフォルセは内からペースアップして行きました。3コーナー過ぎでは2頭が馬体をぴったり併せる場面もありましたが、最終的に内外を回った差はあったと思います。ランフォルセはしばらく勝ち星がなかったですが、昨年のダイオライト記念を勝っている馬ですから、やはり底力はありました。

兵庫ジュニアグランプリJpnⅡ

 ニシケンモノノフは好スタートを切りましたが、福永騎手は内から行く馬の様子を見て、すぐに抑えています。行かせようと思えば、おそらく2番手くらいに行けたと思いますが、好位の外、4番手につけました。3コーナー過ぎでもまだ3番手で、追い出しを待って直線とらえるという、着差以上に強い勝ち方でした。
 マキャヴィティは中団からの追走でしたが、直線よく追い込んで前に迫りました。
 2番手を追走したリーダーズボードは、直線で先頭をうかがう場面があって、結果、3着でしたが、中央馬相手によく走ったと思います。地元に戻って地方同士なら、今後も期待できると思います。

佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。