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第54回 2016年3月10日(木) ちゃんぽん(名古屋競馬場)

名古屋競馬場
「平野屋」 ちゃんぽん(700円)

 名古屋競馬場の正面入口の左右には食堂街があるのだが、そのなかで個人的に唯一、利用したことがなかったのが「平野屋」さん。とくに深い理由はないのだが、それでも食堂街のなかでもっとも小さなその店のことは、以前から気にかかっていた。
 というのは、この店だけがカウンターのみで営業しているから。面積が他の店の半分なのだから、テーブルを置くスペースがそもそもないのだ。
平野屋さん
店の前にはのぼりがあります

 というわけで、入ってみることが目的だったので、何を食べるかはノープラン。店内に入ってメニュー表を見ると、狭い店でもメニューは幅広いものがあった。逆に迷ってしまうではないですか。
 と、しばし考えたのち、店頭ののぼりではためいている「チャンポン」を選択。すると、先客のお兄さんもチャンポンを頼んでいたようで、調理接客をひとりでこなすお母さんにしてみれば、手間が半分になってラッキーということになったらしい。
 5分ほど待って運ばれてきた「ちゃんぽん」は、見た目はいわゆるチャンポンですなあ。ひととおり写真を撮ってから箸をドンブリのなかに入れると、あれれ、麺が普通の中華麺!
ちゃんぽん
麺が予想と違う!
「そうなんですよ。店頭ののぼりには“本場”って書いてあるんですけど、その文字が入っていないのぼりが売っていなくて(笑)。私のは名古屋風にアレンジしたチャンポンですね」
 とのこと。チャンポンを出しているけれど、長崎出身でもないそうだ。なあんだ。
 でもドンブリのなかにはいろいろな具が入っているから、スープの味も含めていわゆるチャンポンと違うのは麺の種類ぐらいかと。これはこれでアリといってもいいのでは?
 店内では常連さんとおぼしき人が4人。全員が瓶ビールを目の前に置いていた。のんびりとした空気が流れる店内だけれど、お母さんは注文があるたびにテキパキと作ってくれる。この雰囲気は昭和のころから変わっていないのかもしれないなあ。でもそれが続いているということは、ファンの支持があるからこそ。それだけしっかり仕事をしているという証拠でもあるのだろう。

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。