dirt
2016年8月18日(木) 佐賀競馬場 1400m

昨年の覇者をしりぞけ逃げ切り勝ち
ダートの新星が秋の大一番を狙う

 お盆を過ぎ、朝晩はいくらか涼しさも感じられるようになったものの、日中はまだまだ猛暑日が続き、この日も好天に恵まれての開催となったサマーチャンピオンJpnⅢ。昨年のこのレースの覇者、タガノトネールが昨年同様に川田将雅騎手を鞍上に迎え参戦。しかし、JRA勢で重賞勝利実績があるのはこの馬だけ。そのタガノトネールにしても、昨年の勝利以降は勝ち星なしとあって、単勝1番人気は前々走でJRAオープン特別2勝目を挙げたグレイスフルリープが推されていた。
 そのグレイスフルリープがすんなりと先頭を奪い、その直後にタガノトネールがつけ、2コーナーではこの両馬と後続との差が開いていった。3コーナーでは中団からワンダーコロアールが前の2頭に迫り、単勝上位人気3頭の争いとなったが、グレイスフルリープの逃げ脚は衰えるどころか、逆に直線で差を広げる勢いで、2着に4馬身差をつけての圧勝となった。
 2着争いはワンダーコロアールが内から進出して3/4馬身先着。3着のタガノトネールから4着のミリオンヴォルツの間は6馬身開き、JRA勢の中でもオープン・重賞で実績のある3頭の力量が他馬を大きく上回った結果となった。地方勢は高知のミッキーヘネシーが5着を確保し、JRA勢の掲示板独占は阻止した。
 グレイスフルリープは一昨年のアンタレスステークスGⅢ(4着、当時は橋口弘次郎厩舎所属)以来となる2度目の重賞出走で初タイトルを獲得した。同馬を管理する橋口慎介調教師は、今年3月に厩舎を開業し、地方のレースには今回が初参戦。父の橋口弘次郎元調教師が、騎手としてデビューした佐賀競馬場での重賞初制覇となった。
 「それでこのレース、というわけではなく、ちょうどいい1400メートルのレースを選んだのですが、そういう縁も感じますね」と橋口慎介調教師。今後は地方のダートグレード路線を進み、大目標はJBCスプリントJpnⅠ(川崎)とのこと。
 サマーチャンピオンJpnⅢの勝ち馬は、2012年のテイクアベット以降、5年連続でここが重賞初制覇。新興勢力がここで賞金を加算して秋のダートグレードへ挑む構図が定着している。しかし残念ながら過去4頭(現役馬はタガノトネールのみ)は、いずれもその後に重賞勝ち星を追加できていない。今年勝利したグレイスフルリープ、昨年の勝ち馬タガノトネールの両馬には、より一層の力をつけ、重賞2勝目の壁を乗り越えていってほしいものだ。
小牧太騎手
1~2コーナーの時点で今日は行けるなと感じましたね。3~4コーナーでも余裕はあったんで、本当に楽でしたが、最後まで気を抜かずに乗っていこうと思いました。橋口先生には乗せてもらえているので(初重賞をプレゼントできて)本当にうれしいです。
橋口慎介調教師
夏場で絞りやすい時期で、体もすごく締まって調子はよかったです。パワーがある馬で、中央でもスタートがダートのレースで結果を出していたので、地方の馬場は絶対に合うと思っていました。次はオーバルスプリント(浦和)の予定です。


取材・文:上妻輝行
写真:桂伸也(いちかんぽ)