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第78回 2018年3月9日(金) カツ丼(佐賀競馬場)

佐賀競馬場
「朝日屋」 カツ丼(700円)

お店の看板はありません
年季の入ったメニュー
 ここのところ、佐賀競馬場には年に1回以上は行っておりまして、でも私の行動パターンだと基本は1階、レースのときは2階。ということで3階の特別観覧席エリアには、ほとんど行ったことがありませんでした。
 しかし2016年の秋に井上オークス先生との馬券対決!みたいな番組の収録で3階に連れて行かれたとき、メチャメチャ昭和感があふれる食堂の姿が目に飛び込んできて、けっこうな衝撃を受けたのです。
 ワタクシ、何かを見て“衝撃的!”となることはわりと少ないほうだと思うのですが、あの店構えは印象に残りましたね。『佐賀競馬場にこんな場所があったなんて!(ここで効果音)』という感じ。
 ということで「いつかはその店に入ろう」という思いを実行すべく、満を持して佐賀競馬場の3階に突撃したわけなのですが、正直な話、入ろうかどうしようか5分くらい悩んでしまいました。
 3階には食堂が3つあって、4コーナー寄りに2つでゴール寄りに1つ。しかし私が目指すゴール寄りの「朝日屋」さんは、2回見て2回とも店内に人の気配がなかったのです。店先には看板がないし、これはいわゆる「一見さんお断り」だったりして……
 しかしここは度胸一発、初志貫徹で入ろうではありませんか!
カツ丼とお吸い物
ていねいに作られています
 という強い気持ちでお店に入り、壁に張られた短冊形メニューのなかから「カツ丼」を選択。それをお店のお姉さまに告げると、「ちょっと時間がかかりますけれど、いいですか?」と聞かれました。ハイ、大丈夫ですよ。「すみませんね。今日は私だけしかいないんで」と言いながら厨房に戻ると、トレーにラーメンドンブリを載せて店を出ていくではありませんか。てことは出前ですか!
 ほどなく厨房に戻ってくると、こんどはトンカツを揚げる音が聞こえてきました。すると常連とおぼしきおじさまから「ちゃんぽん2つ」と注文が入り、野菜を切って中華鍋に投入。その合間にアイスを買いに来た人への対応で店先へ。
 これは1人だと確かに厳しいですわ。
「今日は平日(火曜日)なので店を開けるか迷ったんですけれど、待ってくれている人もいますから。土日は私だけじゃないんですけどね」
 それでも届いたカツ丼の出来ばえは堂々としたもの。味つけもちょうどいい感じです。
 最初の一歩を踏み出すまでは時間がかかりましたが、次からはもう大丈夫。スタンドの3階は2018年7月までは耐震補強工事中のため、通常は500円の指定席料金が無料となっていますから、その期間は3階に足を運ぶ人がいつもより多いことでしょう。
 私としてはカツ丼をリピートしてもいいけれど、注文されてから作り始めるちゃんぽんにも興味ありです!

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。