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  • 第23回
  • さきたま杯 JpnⅡ

5.29 (水) 浦和 1,400m

人気馬を突き放し重賞2勝目
 ミカヅキは馬場が向かず3着

11月4日に浦和競馬場で実施されるJBC競走に向け、場内はJBCの装飾やカウントダウンボードが設置され、建設中の新スタンドの姿もどんどん形になってきた。

そんな祭りムードの中で実施された今年のさきたま杯JpnⅡは、和田竜二騎手の4番人気・ウインムートが制した。レース後は陣営からも、JBC競走を意識したコメントが聞かれ、そのビッグレースに向けた戦いがすでに始まっていることを実感させられる。

ウインムートはスタートで躓き加減に出たが、二の脚が速く、1コーナーでは先頭を取り切った。「スタートは速い馬ですが一歩目で躓いてしまったのでヒヤッとしましたが、その後が速かったので楽に行けました」(和田騎手)。この浦和開催は逃げ先行有利の競馬が続いていることから、陣営としても逃げることは作戦に置いていたそうだ。

ウインムートが軽快に飛ばしていく中、ほかの馬たちの位置取りを見てみると、中央所属になってから南関東で初めての騎乗になった藤井勘一郎騎手がエスコートをしたモーニンや、NARグランプリ2018年度代表馬のキタサンミカヅキ、1年1カ月ぶりの実戦となったブルドッグボス、昨年の覇者サクセスエナジー(1番人気)が先行していき、サンライズノヴァは中団から早めに進出していくかたち。

ウインムートが3コーナーから楽な手応えで後続を突き放しにかかると、サクセスエナジーも食らいついていき、2頭の一騎打ち。「3~4コーナーで追いつかれなかったら大丈夫だろうなと思っていて、ハナを切ることによって馬も遊びながら走っていたので、その分つかまらないだろうなと。他馬に気を遣うようなところが少しある馬なので、逆に追われた方が強いとは思っていました」(和田騎手)。

最後はウインムートがサクセスエナジーを完全に振り切って、2馬身半差をつけたところがゴール。勝ちタイムは1分25秒3(良)で、この10年のさきたま杯JpnⅡで最速だった。

ウインムートはデビュー後しばらくは芝で走り4勝を挙げたが、2年前の夏からダートに転向すると、昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnⅢで重賞初制覇を飾り、このさきたま杯JpnⅡで2つ目のタイトルを獲得。

全兄のドリームバレンチノは、7歳でJBCスプリントJpnⅠ(盛岡)を制し、ジーワンウイナーの仲間入りを果たしている。「古馬になってから強くなってくる血統で、ウインムートもそういう感じになってきているので楽しみです」と和田騎手も言っていて、6歳のウインムートがこの路線でさらにどんな存在になっていくのだろうか。

キタサンミカヅキは3着だった。道中は前めの3番手あたりについていくも、勝負どころで前の2頭に離された。「今週は馬場が軽くて時計が速かったので、時計がかかった方がいいこの馬にはちょっと向かなかったです」(森泰斗騎手)。

キタサンミカヅキは今年9歳になったが、東京スプリントJpnⅢを制するなど、引き続き年齢を感じさせずに高いレベルで走っている。大目標はもちろんJBCスプリントJpnⅠ。悲願のジーワンタイトルに向けて、このまま元気に走り続けて欲しい。

  • 取材・文
  • 高橋華代子
  • 写真
  • 宮原政典(いちかんぽ)

Comment

和田竜二 騎手

前走は大きく負けてしまったので心配していましたが、結果を出してくれてホッとしました。調教時計は出過ぎたくらいに状態はよくて、返し馬もスムーズな歩様をしていたので、いい勝負になるとは思っていました。今日は強い勝ち方をしてくれて、秋に大きいレースも控えているので、無事にいって欲しいです。

加用正 調教師

前回も状態は悪くありませんでしたが、初コースというのもあったので、今日は馬場を見せるために返し馬をして、そこもプラスになったと思います。今日の競馬の流れは先行・逃げだったので、和田騎手に作戦は?と聞いたら、「今日は行く」と、同じ考えでした。逃げると持ち味が出るのでそれもよかったです。