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LVRレディスヴィクトリーラウンド2020

各ラウンドにおいて2競走実施し、女性騎手のみをポイントの対象として、ラウンド表彰(優勝者のみ)を行うとともに、3ラウンド総合優勝者を最終戦名古屋ラウンドにおいて表彰いたします。

前回LVRレディスヴィクトリーラウンドでご好評いただきましたばんえいエキシビションレースを、今回も高知ラウンドに先がけばんえい帯広競馬場において実施します。ばんえいエキシビションレースには、竹ケ原茉耶騎手(ばんえい所属)も参加いたします。

競走実施日にお客様向けに各種イベントを実施いたします。

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レース名 実施日 競馬場
1st Round 高知 2.4(火) 金沢
2nd Round 佐賀 2.22(土) 佐賀
3rd Round 名古屋 3.12(木) 名古屋
  • 2nd ROUND 佐賀

2.22 (土) 佐賀

1着・4着の岩永騎手が優勝
 総合でも岩永騎手が首位へ

第1戦

第2戦

リポート動画

レディスヴィクトリーラウンド(LVR)4シーズン目にして初めて佐賀ラウンドに地元の岩永千明騎手(佐賀)が出場できる日がやってきた。岩永騎手はLVRがスタートする約8カ月前の2016年3月に落馬。約3年3カ月にわたる療養を経て昨年6月に復帰を果たしたのだが、そんな経緯を持つ彼女とLVRの存在が大きくシンクロした一日だった。

夜から朝にかけて大雨が降った後とあって、直線コースは所々に水たまりができる不良馬場。しかし、騎手紹介式の頃には快晴となり、多くの来場者を迎えた。高知ラウンドをトップ通過した宮下瞳騎手(愛知)は同じ九州の鹿児島県出身。「今日は家族も応援に来ているのでがんばります」と誓った。

同じく九州は宮崎県出身の木之前葵騎手(愛知)に「NARグランプリ、おめでとうございます!」と祝福したのはデビュー1年目の中島良美騎手(浦和)。昨年12月の落馬負傷のため戦列を離れていたが、17日の浦和開催から復帰。LVRのレースには今回が初騎乗となるが、1月11日の帯広エキシビションには登場しており、雰囲気には馴染んでいる様子だった。同期の関本玲花騎手(岩手)は「今日は笠松から来ました」と前日まで約6週間にわたり同地で期間限定騎乗を行い名古屋も含め5勝と、経験を積んだ。

昨春デビューの濱尚美騎手(高知)は当日、エキストラ騎乗をし、「内ラチ沿いを空けて走ることに違和感はありませんが、高知よりも追い出すタイミングが早いように感じました」と佐賀のレース形態を肌で感じるなど、デビュー間もない騎手たちはそれぞれに準備を整えていた。

そして、フランス国旗を持ったファンも駆けつけるなど、一挙手一投足に注目が集まるミカエル・ミシェル騎手(川崎)は昨日、九州に来て明太子に初挑戦。「面白い食感で美味しかったです」と日本を満喫したようだった。

第1戦は唯一、単勝万馬券で最低人気の川島拓騎手がスタートから果敢にハナを奪った。しかし早々に勝負所で手応えが怪しくなり、3番手外につけた岩永騎手が直線で力強く伸びて勝利。2馬身半差に後方2番手から追い込んだ中島騎手、内をロスなく立ち回った宮下騎手が4着、5着にミシェル騎手だった。

満面の笑みで引き揚げてきた岩永騎手は「ファンの声援が力になりました」と喜びを噛みしめた。LVR2017-2018の佐賀ラウンドはまだ復帰さえ決まっていない状況で、レース後に女性騎手たちに悩みを打ち明ける場面もあった。「女性騎手の姿を見て、『またレースに乗りたい』という気持ちが強くなりました。私にとってレディスは特別なレースです」と強い気持ちが結果に結びついた。

第2戦はスタートからじわっと濱騎手が先行し、内にミシェル騎手、間に関本騎手と3頭横一線で1コーナーを回った。コーナリングで一旦はミシェル騎手が先頭に立ったものの「逃げ馬の後ろにつけたかったです」と控え、再び濱騎手が主張する形。3~4コーナーでは単騎先頭に立ち、中島騎手がここでも後方から追い込んだが、1馬身半退けてゴール。さらに2馬身半差の3着に関本騎手、4着は岩永騎手と上位を女性騎手が独占した。

2戦の結果、佐賀ラウンドトップは1着、4着の岩永騎手。表彰式では地元ファンから「おめでとう!」と暖かい拍手で迎えられ、涙ぐみながら「復帰して良かった、とすごく思います」と言葉を絞り出した。2位は2戦ともに2着でまとめた中島騎手。「外を回りすぎましたが、佐賀は直線で減量の効果が出るのか、まだ上手く追えない私でも、馬がすごく伸びてくれました」。3位は6着、1着の濱騎手で「私が騎手になるきっかけをくれた祖父が広島から応援に来ていて、表彰式では姿が見えて嬉しかったです」。最近は高知名物のファイナルレースでの勝利も目立っており、自身の中でも「デビューした頃なら無理に競りかけていたような場面も、こないだは控えることができました」と成長を感じている様子だ。

高知ラウンドと合わせた総合順位では1位岩永騎手、2位宮下騎手、3位濱騎手。ミシェル騎手は総合4位で「佐賀は高知に似た馬場でした。もっと勝ちたいし、いろんな経験を積みたいです」と佐賀を後にした。7位関本騎手はトップと31ポイント差だが、名古屋ラウンドの最終第6戦は女子限定順位で3位以内に入ればエクストラポイントが加算されるため、逆転も不可能ではない。最終決戦は3月12日、名古屋大賞典JpnⅢ当日の名古屋競馬場で行われる。

  • 取材・文
  • 大恵陽子
  • 写真
  • 岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

佐賀ラウンド優勝 岩永千明騎手(佐賀)

高知ラウンドでは悔しい思いをして、佐賀でいいところを見せなきゃと思っていました。1戦目は先行したいと考えていて、道中は想像以上にいい手応えでした。2戦目はゲートに注意のいる馬と聞きましたが、中で大人しくしてくれました。ファンの声援が力になっています。また応援よろしくお願いします。

佐賀ラウンド2位 中島良美騎手(浦和)

普段から外を回る癖があって、1戦目も外を回り過ぎましたが、減量効果もあって未熟な私の追い方でも馬が伸びてくれました。2戦目の馬はすごく元気でビックリしましたが、最後もいい伸びで頑張ってくれました。レディスは初めてで、新鮮です。名古屋も地元の先輩に負けないようにがんばります。

佐賀ラウンド3位 濱尚美騎手(高知)

2戦目は調教師から2~3番手が理想と聞きました。馬が気持ちよくスタートを決めたのですが、溜めて最後にひと脚使いたいと思い、逃げにこだわらずこの馬に合ったレースができるよう心がけました。直線も伸びて、馬ががんばってくれました。技術がまだまだ足りませんが、名古屋も食らいつきたいです。