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悔やまれる“クビ差2着”世代別牝馬重賞シリーズ「GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)」の古馬シーズンが、川崎競馬のスパーキングレディーカップを皮切りに開幕する!本シリーズは今年で8年目を迎え、およそ3ヶ月間に渡り、各地で計8戦行われる。
歴代優勝馬を振り返ると、第2回優勝馬エーシンクールディ、第4回優勝馬アスカリーブルがともに翌年も優勝し連覇を果たしている。各レースの競走成績によりポイントが付与され、優勝馬を決める仕組みとなっている。
ここでカギを握るのがローテーション。
相手強化でもポイントの高い中央交流戦で上位を狙うか、地方限定レースで確実に上位入線を確保し、ポイントを加算するかが勝負の分かれ目となる。
一見、相手関係などを考慮すると後者の選択が当然と思われるが、調整が難しい夏の時期に遠征を重ね、複数のレースで上位を狙うのも至難の業。競走馬の能力は言うまでもないが、関係者の采配も重要な要素となる。歴代優勝馬の共通点として、2013年を除き、全ての年で優勝馬は4戦出走している。
特に2011年のエーシンクールディに至っては、真夏の40日間で金沢・園田・名古屋で3連勝、
そして最終戦のレディスプレリュードでも強力な中央勢相手に3着と好走、大差でこの年のシリーズ女王に輝いた。昨年はシリーズ8戦中4戦に出走し、2勝2着2回の好成績を挙げたトーコーヴィーナスが見事優勝。 -
1年3ヶ月ぶりの重賞制覇スタートから宣言通りの逃げで、終始楽な手応え。直後には外に高知優駿馬のディアマルコ、内に園田で10連勝中のタガノトリオンフが続いた。3コーナーでは早くもディアマルコ騎乗の佐原秀泰騎手の手綱が激しく動き、タガノトリオンフは内に包まれ、なかなか前が開かない。直線でもうひと伸びしたトーコーヴィーナスの圧勝と思いきや、なんと直線手前で渋太く伸びたディアマルコにクビ差の2着(6ポイント獲得)。
1番人気に応え、見事逃げ切る2戦目は10日後の金沢で行われた読売レディス杯。
断然の1番人気で単勝1.6倍の支持を集めた。スタートから先頭をうかがうも、エトワールドロゼとオープンベルトもハナを主張。トーコーヴィーナスに騎乗した大山真吾騎手は無理せず2番手からの追走を選択した。道中は逃げるエトワールドロゼをぴったりマーク。最後の直線まで追い出しを我慢していたトーコーヴィーナスは、終わってみれば猛追した2着アルカナに2馬身差をつけての完勝。
取りこぼすわけにはいかない、完璧なレース運びが印象的だった(10ポイント獲得)。 -
ライバル出現!負けられないトーコーヴィーナスシリーズの中で最も短い1400m戦だが、トーコーヴィーナスは、これまで1400m【7.2.0.1】。11着に大敗したのはあまり得意ではない、左回りの浦和でのもの。
それ以外では連対率100%で距離不安は感じられない。
注目は同じくシリーズ制覇を狙うライバル陣の顔ぶれ。
シリーズ初戦でトーコーヴィーナスに土を付けたディアマルコ、同レース3着のタガノトリオンフ、さらに2戦目で豪脚を披露したアルカナなど楽観できないメンバーが集まった。
レースはトーコーヴィーナスが”定位置”の先手を奪い、2番手ベルライン、3番手タガノトリオンフと続く。末脚勝負のディアマルコが中団、アルカナは後方待機。
淡々とした流れの中、レースは3コーナー過ぎから動き出した。先行集団はトーコーヴィーナスを捉えに入り、後方待機組はロングスパートを開始。4コーナーでは2番手以下が一団となるものの、結局、トーコーヴィーナスは見事なペース配分で最後まで後続を寄せ付けなかった(10ポイント獲得)。
2着に伏兵ベルラインが入り、3、4着にアルカナ、ディアマルコが入線。2番人気タガノトリオンフは7着に敗れた。本来なら、この時点でも十分に優勝圏内となりうる成績なのだが、競馬の神様はトーコーヴィーナス(26ポイント)に新たな試練を与える。
北海道のジュエルクイーンが、地元2戦で着実にポイントを重ね、シリーズ第6戦の水沢競馬ビューチフルドリーマーカップを勝ったことで、地区外の勝利ポイントも加わり15ポイントを獲得し、最終戦を残して暫定1位(28ポイント)になっていたのだ。つまり、トーコーヴィーナスが優勝するためには、最終戦で5着以内に入り、さらにジュエルクイーンに先着することが条件となる。 -
フィナーレを飾るに相応しい好メンバーが揃ったレディスプレリュードには、中央からホワイトフーガ、タイニーダンサーといった実績馬をはじめ、地方からは前述の面々のほか、ララベルやブルーチッパーなどが出走。レースはトーコーヴィーナスの果敢な逃げで幕を開ける。出ムチを入れて先頭をキープするも、向正面から3コーナーにかけて徐々に有力馬が先行集団に取り付く。
4コーナーで捕まりかけたものの、そこからもうひと伸びを見せたトーコーヴィーナス。
必死に追う大山真吾騎手の期待に応え、ラスト100m付近まで先頭をキープ。
最後は中央のタマノブリュネットに交わされたが、前年のJBCレディスクラシック馬ホワイトフーガと2着同着。4着以下のララベル、タイニーダンサーといった実績馬に先着したものだけに価値ある2着、そしてこの結果により、シリーズ優勝を決めることができた。現在は休養中だが、今年もシリーズに参戦するならば、これまでの実績と年齢(5歳)から、
体調さえ戻れば当然注目の一頭。
右回り巧者のトーコーヴィーナスにとっては、初戦の川崎競馬(左回り)以外は全て右回りで行われる本シリーズは願ってもない条件かもしれない。真夏の熱い戦いから目が離せない!
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