期待していた長距離戦、直線しぶとく伸びて見事戴冠
まずミツアキタービンの出走取消はなんとも残念だった。常に不安を抱えている脚元ならともかく、原因は疝痛とのこと。オグリキャップ記念は、今年から地方全国交流となり、距離もダートグレード時代の2500メートルに戻った。人気の2頭、ウイニングウインドとクインオブクインにとって実績のない距離。ミツアキタービンにとっては、たしかに全盛時ほどの力がなくなっているとはいえ、最後にダートグレードとして行われた4年前のこのレースの覇者であるだけに、久々にタイトル奪取のチャンスだったはず。
そして勝ったのは、ウイニングウインドでも、クインオブクインでもなく、高知から遠征のスペシャリストだった。
クインオブクインがマイペースで逃げる展開で、スペシャリストはぴったり2番手を追走。中団を追走していたウイニングウインドが2周目のスタンド前で仕掛け、一旦はスペシャリストに並びかけたものの、3コーナーでは手ごたえが一杯になり後退。そして直線は2頭の一騎打ち。じわじわと差を詰めてきたスペシャリストが直線半ばでクインオブクインを交わし、最後は1馬身半突き放した。道中4番手を追走していたサンエムウルフがウイニングインドを捕えて3着。高知から遠征の2頭が1、3着と大健闘を見せた。
勝ったスペシャリストは、積極的に全国のダートグレードレースに遠征を続けてきた成果を遺憾なく発揮。前々走の佐賀記念JpnIII、そして前走の名古屋大賞典JpnIIIと、勝ち馬からはやや離されたとはいえ、5、6着。ダートの一線級に入ってもそこそこの競馬をしていただけに、見事、地方馬同士のここでチャンスをモノにした。
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赤岡修次騎手 |
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「長くいい脚を使う馬」(赤岡修次騎手)で、「ここに備えて長めの調教をしていた」(田中守調教師)とのこと。今年距離延長となり、そして全国交流となったこのレースこそ、スペシャリストのために用意された舞台だったのかもしれない。
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