鞍上とは名コンビ、人気2頭を差し切ってJpnI・2勝目
ボンネビルレコードが勝った、というより、南関東の関係者や地方競馬ファンにとっては、的場文男騎手が勝った!という思いのほうがより強かったのではないだろうか。
単勝ではブルーコンコルド1.8倍、ワイルドワンダー2.0倍。そして2頭の馬連複は1.4倍。かしわ記念と同じ1600メートルのGI・フェブラリーステークスでヴァーミリアンの2、3着なら、これほど人気が集中するのも当然のことだろう。
3コーナー過ぎでシャドウゲイトが先頭に立ったが、4コーナーではブルーコンコルドとワイルドワンダーが馬体を併せるようにして並びかけてきた。直線を向くと、シャドウゲイトはやや一杯な感じの手ごたえで、人気2頭が抜け出す勢い。やはりこの2頭での決着か、と思ったところ、的場騎手の渾身のムチにこたえて外から伸びてきたのがボンネビルレコードだった。一瞬、3頭の叩き合いになるのかとも思わせたが、完全にボンネビルレコードの脚いろがまさり、ゴールでは1馬身抜け出して的場騎手はガッツポーズ。2着争いとなった人気2頭の叩き合いは、ブルーコンコルドが半馬身先着した。
4コーナーではフジノウェーブも手ごたえ十分に伸びてくる様子だったが、ワイルドワンダーとフジノウェーブの間にできた隙間を突いて抜け出してきた的場騎手の一瞬の好判断も勝因のひとつ。
「的場マジックじゃないですかね。的場さんが乗るとほんとに走る」と感心していたのは堀井雅廣調教師。
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的場文男騎手 |
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もともと大井に所属していたボンネビルレコードは、昨年春に中央に移籍し、その後はこれが12戦目。そのうち的場騎手以外が手綱をとった9戦では、武豊騎手で3着が最高という成績。ところが南関東に遠征して的場騎手の鞍上となると、帝王賞JpnI・1着、ダイオライト記念JpnII・2着、そして今回のかしわ記念JpnI・1着と、オール連対。
中央所属となって以降は、出走枠が限られている地方のダートグレードでは除外されることが多く、昨秋あたりはなかなか思うようなレースを使うことができなかった。この勝利で今後は除外されることもなくなりそうで、堀井調教師もホッとした様子だった。
後検量を終え、口取り写真の撮影に出てきた的場騎手は、騎乗のある最終レースの準備ということもあったのだろう、ボンネビルレコードの馬主服ではなく、赤に白星散らしの自身の騎手服に着替えていた。
最近では南関東でも若手騎手の台頭が目立ってきたが、ベテラン健在、南関東に的場あり、をアピールしているかのようだった。
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