好位から完璧な差し切り勝ち、ダートで8つ目のタイトル
地方競馬で行われる短距離のダートグレードは、馬場の形態から1400メートル戦が多く、中央からは今回もこの距離のスペシャリストたちが出走してきた。
その中央勢4頭は、スタートで明暗が分かれた。好スタート切って楽に好位置をキープしたメイショウバトラー、リミットレスビッドに対し、コンゴウリキシオー、アグネスジェダイは、ともにつまづくような感じで後手を踏んだ。
キングスゾーンが好スタートでハナに立ち、外からダッシュをきかせてプライドキムがこれに並びかけ、2頭が併走するかたちで先行。メイショウバトラー、リミットレスビッドが続き、アグネスジェダイも直後にとりついた。
3〜4コーナーでイチ早く仕掛けたのがメイショウバトラー。先行2頭に並びかけると、直線を向いて先頭に立った。しかしそのメイショウバトラーが先頭に立つのを待っていたかのように、直線を向いて満を持して追い出したのがリミットレスビッド。直線半ばで並ぶ間もなく交わすと、ゴールでは手綱を抑える余裕を見せての勝利。
前走、かきつばた記念JpnIIIでは、直線追い込んで届かず、早めにハナに立ったコンゴウリキシオーに逃げ切りを許していた。今回も名古屋と同じような浦和の小回りコース。好位にとりついてメイショウバトラーを相手と定め、見事に差し切った。
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岩田康誠騎手 |
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それにしても今年9歳となったリミットレスビッドのタフさには驚かされる。JpnII(GII)勝ちがあるため、JpnIIIのグレード別定では常に58キロを背負わされるが、斤量を気にしている様子はない。何しろハンデ戦の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでは、トップハンデの59.5キロで同じように差し切り勝ちを決めているのだ。これでダートグレードは8勝目。秋には大きいところを狙うというから、おそらくJBCスプリントでJpnI勝ちを狙うのだろう。
そして3着に敗れたとはいえ、キングスゾーンもこの浦和コースはほんとうによく走る。プライドキムに競りかけられた上に、中央の有力馬に直後でマークされるという厳しい展開での結果だけに、相手と展開次第では再びダートグレードを獲るチャンスが巡ってきそうだ。
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