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2008年11月3日(祝・月) 園田競馬場 1400m

 

世代交代のスプリント、連勝の勢いでJpnI初制覇

 新興勢力の台頭で、世代交代を感じさせられるJBCスプリントJpnIだった。
 勝ったのは、これが重賞初制覇となるバンブーエール。そして2着には、前走白山大賞典JpnIIIでの重賞初制覇からスプリントへと路線変更した3歳馬スマートファルコンが入り、断然人気となったブルーコンコルドなど、ここ何年かに渡ってこの路線を牽引してきたベテラン勢は4着以下に敗れた。
 それにしてもバンブーエールは見事な逃げ切りだった。好スタートから無理することなく先頭に立つと、向正面まで手綱をがっちり抑えたまま。4コーナーでは直後にスマートファルコンに迫られたが、直線では並びかけることを許さず、1馬身差を保ったままゴール。松岡正海騎手の左手が挙がった。
 そして園田競馬場ではめずらしいウイニングラン。松岡騎手はよほど嬉しかったのであろう、検量室前に戻ってくると、今度は馬上で両手を大きく広げ「やったー!」と歓喜の声を上げた。
 バンブーエールは、3歳時にジャパンダートダービー、ダービーグランプリの両GIで2着があったが、その後4カ月の休養。さらに昨年5月から今年7月にかけても長期休養があった。ダート短距離路線で本格化したのはその後のこと。復帰戦のプロキオンステークスGIIIは4着だったが、松岡騎手に乗替り、ダートオープンを3連勝でここに臨んでいた。ただ、その3連勝目となった前走は、松岡騎手は騎乗停止中。新人・三浦皇成騎手が手綱を取り、JRAの新人騎手として武豊騎手の記録に並ぶ69勝目を挙げ、大きな話題となっていた。それだけに松岡騎手にとっては、もう一度自分に手綱が戻り、バンブーエールに初重賞、そしてJpnIのタイトルをもたらしたことが嬉しかったようだ。
 一方、JBC3勝目に加え、GI(JpnI)8勝目という偉業がかかっていたブルーコンコルドは残念ながら4着。スタート後は慎重に外に持ち出し、向正面で仕掛けるという、この馬の持ち味を生かす正攻法でのレース運び。しかし、追い出してからの反応が本来のものではなかった。「やっぱりズブくはなっているようで、今は1400より1600くらいのほうがいいのかな」と幸英明騎手は振り返った。
 そして中央勢掲示板独占の一角を崩し、3着に食い込んだのが、地元兵庫のアルドラゴン。当初は白山大賞典からJBCクラシックという予定だったそうだが、地元の1400メートル戦で強い勝ち方をしたことから、白山大賞典は使わず、JBCスプリントへ路線変更。兵庫では初のJBC開催、初のJpnIレースで地元馬が見せた意地の3着だった。

 
松岡正海騎手
  あまり速くなりそうになかったので、行ってしまいましたが、スローだったのでだいじょうぶだと思いました。1頭になると遊ぶところがあるのですが、手ごたえには余裕がありました。マイペースでいけたので、うしろは気にならなかったです。  
 
安達昭夫調教師
  行けるんだったら行こうと話していました。2000メートルも使ってましたけど、この馬には1600くらいまで、スピードを生かす競馬のほうがいいのかなと思います。このあとは未定ですが、これで(賞金を稼いだことで)思うようなところが使えますね。
 
 


 


 

取材・文:斎藤修
写真:いちかんぽ


 
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