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レースハイライト
 

2010年4月29日(祝木) 笠松競馬場 2500m

競走成績Movie

人気を集めた2頭に明暗、必勝パターンで重賞3連勝

 今年の4月はまだ冬なのかと思うような寒い日が多く、また雪が降ったり大雨になったり、不順な天候が続いた。しかしこの日の笠松は、朝のうちこそ雨が残り風も強かったとのことだが、日中は快晴。汗ばむほどの陽気で、ゴールデンウィーク初日にふさわしい天気に恵まれた。
 2500メートルの地方全国交流となって3年目のオグリキャップ記念。その最初の年、08年には高知からの遠征馬が1着3着と激走したのも記憶に新しく、今年も高知のグランシュヴァリエが注目の1頭。対する地元東海勢では、ここ笠松の重賞を2連勝で臨んできた名古屋のヒシウォーシイが注目を集めた。
 地元専門紙ではヒシウォーシイのほうに重い印が集まり、当初は1番人気となっていたが、レースが近づくにつれてグランシュヴァリエのオッズが接近。最終的には単勝でヒシオウォーシイが2.4倍、グランシュヴァリエが2.3倍と逆転。馬連単でもグランシュヴァリエの頭が6.9倍、ヒシウォーシイの頭が7.1倍と、10倍以下はこの2頭の表裏のみとなった。
 エーシンアクセランがレースを引っぱり、この距離にしてはややハイペースで縦長の展開。しかし2周目に入るとペースが落ちつき、全馬が一団。4番手の外を追走して機をうかがっていたヒシウォーシイが勝負どころの3コーナー手前で動き、一気に先頭。これを追ったのが兵庫から遠征の伏兵マイネルマニセス。一方のグランシュヴァリエは、終始ヒシウォーシイの直後をぴったりマークするように追走していたが、懸命に押してもついていけず、ここで人気2頭の明暗が分かれた。
 直線を向いてもヒシウォーシイが先頭。追ってきたマイネルマニセスとは1馬身の差を保ったままゴール。道中7〜8番手あたりを追走していたノゾミカイザーが3着に入り、グランシュヴァリエはさらに離されて4着だった。
 「3コーナーでペースが上がったところでついていけませんでした。この距離はちょっと長いのかもしれません」と、グランシュヴァリエの赤岡修次騎手。脚部不安もつきまとっているようで、あわやの2着に健闘した川崎の報知オールスターカップは、転入初戦でもありフレッシュな状態だったとも話してくれた。
岡部誠騎手
馬がよくがんばってくれています。ペースが速かったんで、4番手でいい流れになりました。3コーナーで、後ろから来る前に動いたのがよかったです。前回と同じく3コーナーで先頭に立って、この馬の必勝パターンでした。あとは後ろを気にせず懸命に追いました。
川西毅調教師
短いところでは不完全燃焼に終わることが多いので、1800メートル以上が合うと思います。以前はオープンでは少し足りない感じだったのが、ハナに行くばかりの一辺倒のレースではなくなって、ここにきて充実してきました。長距離に備えて乗り込みをやってきたので、マイナス1キロも気になりませんでした。

 自分の勝ちパターンに持ち込んだヒシウォーシイは、まさに完勝のレース内容。3歳時には東海ダービー制覇で注目の存在となったが、その後しばらく重賞には縁がなかった。しかし昨年11月の東海菊花賞で1年5カ月ぶりに重賞制覇を果たすと、ここに来て重賞3連勝と完全に本格化。「笠松で連勝してこのコースが合うと思っていたので、ここを大目標にしていました。夏場はあまりよくないので休養します」と川西毅調教師。再び全国レベルでの戦いとなるであろう秋を楽しみに待ちたい。
取材・文:斎藤修
写真:三戸森弘康(いちかんぽ)

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