レースハイライト タイトル
dirt
2014年2月13日(木) 佐賀競馬場 2000m

流れに乗ってゴール前抜け出す
8歳で重ねた4つ目のタイトル

 昨年、ダートGⅠ/JpnⅠで4勝を挙げたホッコータルマエの快進撃はこのレースから始まった。今年のJRA勢は、フリートストリートこそまだ5歳だが、それ以外は7歳か8歳で、いずれもピークは越えているかもと思われるメンバー。
 対する地方勢の期待は、前走川崎の報知オールスターカップまで3連勝中という兵庫のオオエライジン。寺嶋正勝調教師、下原理騎手は、2008年にチャンストウライでこのレースを制したコンビだったという期待もある。
 今回の佐賀記念JpnⅢは2月11日の建国記念日ではなく、地方競馬IPAT発売の都合があったのだろう。平日の木曜日開催となった。この日の佐賀競馬場は、昼過ぎから冷たい雨が降りだし、強い降りにこそならなかったものの、ときにその雨がみぞれになる寒さの厳しい1日。そんな悪条件にもかかわらず、平日とは思えないほどのファンの来場があったのは、やはり佐賀競馬場で年に2度の交流重賞ゆえだろう。
 好ダッシュはフリートストリートだったが、すぐにエーシンモアオバーがハナに立つ予想どおりの展開。今回はほかにハナを主張するような馬がいなかったこともあってペースがすぐに落ち着き、1周目のスタンド前では、他のJRA勢に加え、オオエライジン、地元期待のデュナメスら7頭が一団となった。
 向正面半ばでペースが上がり始めると、一団馬群の後方に位置していたオオエライジンの下原理騎手がムチを入れ、3コーナー過ぎでは早くも先頭のエーシンモアオバーに並びかけた。4コーナーでは、ラチ沿いを突いたソリタリーキングに、外を回ってきたランフォルセと4頭が横一線の争いに。
 一瞬、突き抜けるかに思えたオオエライジンだが、直線を向いて後退。エーシンモアオバーも脱落し、ゴール前で突き抜けたのは3番人気のランフォルセだった。内でしぶとく伸びた1番人気のソリタリーキングは半馬身差2着。直線外から伸びてきたナムラタイタンがクビ差まで迫って3着に入り、オオエライジンはそこから3馬身差がついての4着だった。
 勝ったランフォルセは、3走前の浦和記念JpnⅡが1年8カ月ぶりの勝ち星だったが、2011年の5歳時から毎年1つずつ勝利を重ね、これが4つ目のタイトルとなった。
 半馬身差で2着となった1番人気のソリタリーキングは、雨が降っていたとはいえ、まだ馬場はそれほど湿っておらず(稍重)、ラチ沿いの砂が深くなっているという馬場の差もあったかもしれない。
 そしてオオエライジンの4着は、地方勢としては唯一JRA勢に食い込んでの掲示板という言い方もできるが、やはりこの馬に期待されるのはもっと上の着順だ。「ペースが速くなったところでついて行ったのはすごいと思ったんですけど、エンジンがかかりすぎてしまったかもしれないです。もうちょっとゆっくり行けていれば……」と下原騎手は悔しそうだった。3月26日の名古屋大賞典JpnⅢで、再びJRA勢に挑戦となるようだ。

戸崎圭太騎手
ずっと乗せていただいていて、長い脚も使えるという持ち味もわかってるので自信はありました。今日は返し馬でもずいぶん元気があって、いいものを感じていました。スタートは普通に出て、競馬も上手な馬なので、あの位置からになりました。8歳ですが年を感じさせない走りはしていると思います。
萩原清調教師
ジョッキーは何回も乗っていますし、じっくり構えて馬の力を信頼して乗ってくれたと思います。体重が490キロ台前半のときに好成績が集中していますので、そのゾーンを目指してやってきました。体重の部分だけでなく、全体の雰囲気もよかったと思います。このあとも地方の交流レースになると思います。

期待されたオオエライジン(兵庫)は見せ場をつくるも4着

取材・文:斎藤修
写真:宮原政典(いちかんぽ)