1. Presented by National Association of Racing
  2. 地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロン
  3. ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。
  • 第47回
  • 佐賀記念 JpnⅢ

2.11 (祝火) 佐賀 2,000m

直線人気馬との追い比べを制す
 3連勝で初重賞タイトル獲得

九州は今年は暖冬傾向で、佐賀県での初雪は観測史上最も遅い今月5日。この日も最高気温は14度を超す好天に恵まれ、場内は多くの観客で賑わっていた。また、佐賀記念JpnⅢのレース単体、当日合計ともに売得レコード更新となった。

JRAからの出走馬5頭のうち、昨年9月にシリウスステークスGⅢを勝利し、前走の東京大賞典GⅠで5着のロードゴラッソら、重賞勝ち馬が3頭。一方で前走でオープン特別(リステッド競走)初挑戦だった師走ステークスを勝利したばかりのナムラカメタローも参戦。単勝人気は近走で勢いのあるこの両馬が差のない1、2番人気に推されていた。

ラインカリーナ、ナムラカメタロー、テルペリオン、3頭の先行争いを制したのはラインカリーナ。ロードゴラッソとノーヴァレンダも3頭の直後につけ、JRA勢5頭が先行集団を形成。やや離れてグレイトパール、ウノピアットブリオ、中島記念上位2頭の佐賀勢が追走したが、その後は大きく開き、1周目3コーナーで早くもJRA5頭の争いに佐賀の2強がどこまでついていけるか?という構図が固まった。

向正面でグレイトパールが先行集団に取りついていったが、4コーナーでロードゴラッソとナムラカメタローの両馬が先頭を奪いにかかると、直線ではこの人気上位2頭のマッチレースとなり、外のナムラカメタローが半馬身抜け出して勝利。優勝争いから3馬身差で3着ノーヴァレンダ。以下、4着ラインカリーナ、5着テルペリオンとJRA勢が掲示板内独占となった。

佐賀記念JpnⅢの勝ち馬は直近10年で8頭が重賞初制覇(ここ5年は連続)。新興勢力の登竜門となっているが、ナムラカメタローもその流れに続く形となった。

同馬は18年7月に谷原義明厩舎からデビュー後は芝で4戦1勝。19年2月の谷原調教師の定年引退に伴い、稲垣幸雄厩舎に移籍後はダートに転向。その後は7戦5勝で1勝クラスから重賞まで一気に駆け上った。19年3月に開業した稲垣調教師は、今回が管理馬の重賞初出走。人馬ともに重賞初挑戦をモノにしてのタイトル獲得となった。

鞍上の石川裕紀人騎手はナムラカメタローのダート転向2戦目から手綱を取り、5勝すべてで騎乗している。「佐賀では初騎乗なので、内が伸びないところなど研究してきました。抜け出して1頭になるとふわっとする所があるのが今後の課題ですが、今日はイメージどおりの競馬ができました」と振り返ったように、直線で外を通っての追い比べに持ち込んだ会心のレース運びとなった。

地方最先着は昨年同様に佐賀のグレイトパールだったが、前年4着から着順を落としての6着。しかし、課題だった佐賀での出走時の馬体重も550キロ台に絞れ、勝ち馬との着差も1秒4と前年(1秒9)より詰めており、収穫のある一戦だったことだろう。

  • 地方競馬全国協会理事長賞の
    副賞として畜産品が贈呈された
  • 地方最先着は佐賀のグレイトパールで6着
  • 取材・文
  • 上妻輝行
  • 写真
  • 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

石川裕紀人 騎手

小回りに対応できる馬なので、その器用さを活かす競馬になりました。馬の具合は本当によかったので、自信を持って行けました。2、3番手で行くつもりでしたし、勝負どころで反応してくれて、最後もグッと伸びたので大丈夫だなというゴール前でした。

稲垣幸雄 調教師

最後は追い比べになりましたが、手応えから大丈夫かなという感じで見ていました。中距離のダートを中央・地方問わず使っていければいいかと思うので、今後はオーナーと相談して決めたいです。初重賞は意識してませんでしたが、結果的に勝てて良かったです。