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JBCレースハイライト一覧

JBC前哨戦
レース名 実施日 グレード 競馬場
レパードステークス 8/4(日) GⅢ JRA新潟
エルムステークス 8/11(祝日) GⅢ JRA札幌
クラスターカップ 8/12(振月) JpnⅢ 盛岡
サマーチャンピオン 8/14(水) JpnⅢ 佐賀
ブリーダーズゴールドカップ 8/15(木)★ JpnⅢ 門別
テレ玉杯オーバルスプリント 9/12(木) JpnⅢ 浦和
シリウスステークス 9/28(土) GⅢ JRA阪神
白山大賞典 10/1(火) JpnⅢ 金沢
JBC指定競走
レース名 実施日 グレード 競馬場
ビューチフルドリーマーカップ 8/25(日) 水沢
アフター5スター賞 8/28(水)★ 大井
青藍賞 9/8(日) 盛岡
東京記念 9/18(水)★ 大井
秋桜賞 9/19(木) 名古屋
珊瑚冠賞 9/22(日)★ 高知
姫山菊花賞 10/4(金) 園田
道営スプリント 10/8(火)★ 門別
Road to JBC
レース名 実施日 グレード 競馬場
日本テレビ盃 9/23(祝月) JpnⅡ 船橋
東京盃 10/2(水)★ JpnⅡ 大井
レディスプレリュード 10/3(木)★ JpnⅡ 大井
マイルチャンピオンシップ南部杯 10/14(祝月) JpnⅠ 盛岡
JBC
レース名 実施日 グレード 競馬場
JBCクラシック 11/4(振月) JpnⅠ 浦和
JBCスプリント 11/4(振月) JpnⅠ 浦和
JBCレディスクラシック 11/4(振月) JpnⅠ 浦和

★マークはナイター開催です。

  • 第53回
  • 東京盃 JpnⅡ

10.2 (水) 大井 1,200m

スピード衰えず逃げ切り勝ち
 藤田菜七子騎手は重賞初制覇

今年の東京盃JpnⅡは、断然の人気を集めたコパノキッキングが、2着に4馬身差をつけて逃げ切った。

前走は盛岡競馬場でのクラスターカップJpnⅢで、単勝1番人気に支持されたが3着まで。レース後、コパノキッキングのオーナーである小林祥晃さんは「この馬にはテーマがありますから」と話していた。クラスターカップJpnⅢを制した場合はアメリカに渡り、ブリーダーズカップ・スプリントGⅠに挑戦するというプランがあったが、それは一旦保留。藤田菜七子騎手の手綱で重賞を勝つという“テーマ”の達成に切り替えることになった。

それが実現する瞬間を見るために、大井競馬場にはたくさんのファンが訪れた。この日の入場人員9144人は、前年比123.6%。大井町駅では送迎バスを待つ列が長く伸び、東京盃JpnⅡのパドックも最近の重賞にしてはかなりの混雑になった。

その注目が集まるなかパドックに入ってきたコパノキッキングは、歩く姿に気負いがあるような感じがあったが、それは時間が経つにつれて解消された。それでも騎乗合図がかかって藤田騎手が騎乗すると、すぐに地下馬道へと向かった。と同時に、パドックにいた多くの人たちも本馬場方向へと移動。その動きは、藤田騎手を目当てに来た人たちの多さを物語っていた。

そしてパドック周回中は1.6倍だった単勝は、最終的に1.5倍へと上昇。ゲートが開くとクルセイズスピリツ、キャンドルグラスなどが先手を取りに行ったが、コパノキッキングはその内側から加速をつけて、スタートから200メートルを過ぎたあたりで先頭に立った。

サマーチャンピオンJpnⅢで連対したグランドボヌールは中団、ダッシュがつかなかったヒザクリゲは後方から。短距離戦でも隊列は長くなり、直線入口では、逃げるコパノキッキングと2番手に上昇してきたサクセスエナジーとの差は3馬身ほどあった。

そのペースは前半600メートルが34秒3。馬場差はあるが、昨年の東京盃JpnⅡは同じ良馬場発表で、34秒4だった。しかし勝ち時計は昨年が1分12秒1で、今年は1分10秒7。コパノキッキングのスピードが最後まで衰えなかったということが、数字上でもよくわかる。逆に追いかけたサクセスエナジーは苦しくなり、中団から差し脚を伸ばしたブルドッグボスが代わって2着に食い込んできた。

コパノキッキングが独走で勝利を飾ったその瞬間、大井競馬場は大きな歓声に包まれた。その人たちの表情は一様に笑顔。小林オーナーの希望と多くのファンの希望が同時に達成された瞬間だった。

さて、小林オーナーが話したところの「テーマ」をクリアしたコパノキッキング。次はどこに登場するのだろうか。3着に入ったサクセスエナジーを管理する北出成人調教師は「初ブリンカーの効果がありましたし、JBCスプリントに登録します」と話していた。しかしコパノキッキングは、コーナー4つの競馬は未経験。果たして日本の“ダート競馬の祭典”へと進むのかどうか。陣営の判断が待たれるところだ。


  • 2着に健闘したブルドッグボス(浦和)と
    御神本訓史騎手
  • 取材・文
  • 浅野靖典
  • 写真
  • 早川範雄(いちかんぽ)

Comment

藤田菜七子 騎手

(コパノキッキングは)ナイターが2度目ですし、そのときより落ち着いていました。どう乗るかは最後まで迷いましたが、返し馬の雰囲気がとても良くて、これならゲートを出てくれると感じたので、そこで前に行くことを決めました。人気を背負っていましたし、今はホッとした気持ちのほうが大きいです。

村山明 調教師

前回のクラスターカップは坂路がない函館競馬場で調整して臨んだ分、パワーが物足りないという感じがありましたので、今回は栗東でそこを補ってきました。以前は逃げるとちょっと頼りないかなという面があったのですが、今日の勝ち方は強かったですね。藤田騎手も乗れる騎手になってきた感じがします。