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  • 第19回
  • 佐々木竹見カップジョッキーズグランプリ

1.26 (火) 川崎

今年は南関東騎手限定で実施
 4・1着の酒井騎手が総合優勝

マイスターチャレンジ

ヴィクトリーチャレンジ

川崎競馬場の冬の風物詩『佐々木竹見カップジョッキーズグランプリ』。昭和35(1960)年の騎手デビューから平成13(2001)年に現役を引退するまで、通算7153勝(うち中央2勝)を挙げた鉄人・佐々木竹見さんを称えるために創設されたレース。

例年は全国のトップジョッキーたちが集まるのだが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、19回の歴史で初めて南関東所属騎手限定になった。地元の川崎から6名、浦和からは2名、大井と船橋からは各3名、合計14名で争われた。

第1戦のマイスターチャレンジ(1500メートル)は、川崎の山崎誠士騎手が手綱を取った単勝1.2倍で1番人気のアルジョンブランが完勝。一団馬群の5番手から、直線では内めをついて、後続をグンと突き放す危なげない勝ちっぷりだった。

1着の山崎騎手が50ポイント。中団うしろから進出した5番人気バンダイクブラウンが2着で和田譲治騎手(大井)は38ポイント、3着は7番人気オレオレサララで町田直希騎手(川崎)は33ポイントを獲得した。

第2戦のヴィクトリーチャレンジ(1600メートル)は、川崎の酒井忍騎手が騎乗した1番人気ノボリターンが優勝。保園翔也騎手(浦和)の3番人気スターギアが大きく引き離す逃げで縦長の展開。そのまま逃げ切るかと思ったところ、中団から進めていたノボリターンが直線内から猛追して差し切った。

酒井騎手には50ポイントが入り、2着の保園騎手には38ポイント、5番人気アルチレイロで3着だった張田昂騎手(船橋)は33ポイント。

この結果、第1戦4着、第2戦1着で計77ポイントを獲得した酒井騎手が総合優勝。2位が60ポイントの山崎騎手、3位は44ポイントの和田騎手だった。

「今年はコロナのお蔭でもらったチャンスで乗せていただく形になりましたが、そのチャンスをモノにできて良かったです。(第4回以来)2回目の優勝も変わらずにうれしいですね。来年は全国のリーディングの中に入って、また優勝したいです」と酒井騎手。

酒井騎手は今年48歳になり、川崎所属騎手の中では2番目のベテラン。新潟県競馬から川崎競馬場へ移籍した後も、東京ダービー制覇(キングセイバー)をはじめ、昨年もウタマロとのコンビでクラウンカップを制するなど、長きに渡り存在感を示している。今年の目標は2000勝を達成することだという(1月26日終了時点で1977勝)。「どの騎手にもいいところがあって、みんな上手です。若い奴らには負けられないと思って日々頑張っています」

表彰式では、この日のために作られた佐々木さんの勝負服をあしらった特製マスクを着用し、佐々木さんと酒井騎手が並んで記念写真に収まった。「(酒井騎手は)手綱さばきから何やら全部が上手なので、若手騎手たちも見習ってほしいですね。これからも怪我には気をつけて頑張ってください」と佐々木さんはエールを送った。

佐々木さんは11月3日の誕生日が来ると80歳。久しぶりの公の場だったが、肌つやの良さと若々しいいでたちには驚いた。現在は家にいることが多いそうだが、週に3回は近所の小向トレーニングセンターへ顔を出しにいくという。来年は通常の竹見カップに戻り、また元気な佐々木さんが、ファンの皆さんの前に登場して欲しい。

  • 取材・文
  • 高橋華代子
  • 写真
  • 早川範雄(いちかんぽ)

Comment

総合優勝 酒井忍騎手(川崎)

竹見さんの現役の頃のビデオなどは見て勉強させていただいていますが、僕も竹見さんに追いつきたいなぁと思って頑張っています。今年ここまで未勝利だったので、勝つことができて勇気がわきました。2回目の優勝もすごくうれしいですね。(今年の優勝賞金50万円は)前回同様貯金をします(笑)。

総合2位 山崎誠士騎手(川崎)

今年はいつも乗っているメンバーだったので、そんなに新鮮さはなかったですが、その分、みんなの癖はわかっていました。第1戦はいい馬に当たって勝たせていただくことができたので、第2戦もいい結果を残したかったですが残念です。みんな上手な騎手なので仕方ないですが、悔しい2位です。

総合3位 和田譲治騎手(大井)

1戦目が2着だったので何とかならないかなぁという感じだったのですが、2戦目の成績で優勝はダメだろうと思っていたところで、3位と聞いて、めちゃめちゃうれしいです。今回は矢野貴之騎手が怪我をしたことで急遽出場しましたが、またこういうレースに出場できるように頑張ります。