2020年12月が佐賀競馬場の「やきめし」で、2021年3月が姫路競馬場の「やきめし」。そして今回のネタが名古屋競馬場の「チャーハンセット」。炒めたごはんの紹介が徐々に東にと移ってまいりました。
個人的に興味深いなと思ったのが「やきめし」と「チャーハン」の境界線。これは他の名称でも見られるように“天下の分け目の関ケ原”なのかしら?
でも「やきめし」と「チャーハン」は違う料理なんですよね。名古屋競馬場の「チャーハン」は、いわゆる中華料理の“やきめし”でした。
この日は地元の競馬ファンと2人連れ。競馬場に着いてさっそく昼食を……と思ったら、その人はすでに食事済みとのこと。
「だったらビールにしますよ」
と言うので、店頭のショーケースを見て、鶏のから揚げが付いている「チャーハンセット」を注文して、小鉢をビールの“アテ”にしてもらうことにしたのです。
このお店がある場所は名古屋競馬場の真ん中のスタンドの1階。店名のとおり、長い歴史を持っています。しかし過去に私が入ったのは一度だけ。店頭の見本も含めて「食堂」ではなくて「レストラン」という雰囲気だからかな……
でも今回は2人連れだし、ゆっくり座ることにしましょう。自動ドアが開くと右側に食券販売カウンター。店内の照明は落ち着いた感じの明るさですが、先客のみなさまは見慣れた服装。うーむ、これなら身構える必要はまったくなかったな(汗)。
おお、これはまさしく“チャーハン”だ。当たり前だけれど“やきめし”とはまったく違いますわ(笑)。
油っぽさもまったくなく、あっさりと完食。付属の中華スープもいい感じです。
アクリルボードにはメニューが貼られていて、向かい側に座る同行の士は、その姿がほとんど見えず。“黙食”が推進されている今の時期ですから、むしろいいことかもしれません。
というわけで、私は鶏のから揚げをひとつも食べなかったということに。アクリル板の向こう側からは「おいしかったですよ」と報告がありました。
この店のメインメニューは「寿司」ですが、ほかにもカレーやらラーメンやら、さらに各種定食もあるというラインナップ。それは昔の百貨店の上の階にあった「お好み大食堂」と似ている感じがありますね。これまでの私は勝手に敷居を高くしていただけかもしれません。次の機会には「定食」か「丼ぶり」を注文してみようと思います!
浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。