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フィアットルクス


高橋華代子

2021.04.20 (火)

「気になるあの馬はフィアットルクス」

地方競馬には、中央競馬で走っていた様々なクラスの馬たちが、新天地での活躍を求め仲間入りをしている姿が多く見られます。

4月13日に大井競馬場で実施した重賞ブリリアントカップにおいて、本橋孝太騎手が騎乗した1番人気フィアットルクス(大井・藤田輝信厩舎)が優勝しました。今年6歳で、重賞初挑戦&重賞初勝利。

フィアットルクスは2017年12月に中央競馬からデビューし8戦未勝利(4着が最高着順)で、大井競馬場へ。2018年11月から地方競馬の一員として走り始め、C2クラスから勝ち星をひとつずつ積み重ね、約2年4か月でタイトルホースへと上り詰めました。

ブリリアントカップでは、重賞ウイナーたちがズラリと勢ぞろいした豪華メンバーの中、道中は3番手外目から、最後の直線ではリンゾウチャネルやノーブルサターンとの競り合いを制した形。まだA2クラスで他馬よりも軽い斤量で臨めたとは言え、重賞初挑戦での重賞初勝利は本当にすばらしいパフォーマンスで、この路線に新星が登場。

遡ること、フィアットルクスが大井競馬場へ入厩する前。1か月ほどの放牧休養で一息入れ、最終レースから3か月経った転厩緒戦の馬体重は+49キロ。筋肉をゆっくりつけて馬が良化していったその休養期間の過程もすごくよかったと、藤田調教師は振り返っています。

「威圧感は最初からすごい馬でした。人に対しても馬に対しても、ものすごく気持ちの強い馬なので、競り合いの形に持っていければやれるんじゃないかという期待はありました。重賞をひとつ勝つことができた喜びはありますが、ここで終わる訳ではないですし、斤量差がなくてもやれる馬だと信じているので、これから頑張ってもらいたいです」(藤田調教師)。

筆者が活動している南関東競馬において、中央未勝利馬から重賞ウイナーになった馬と言えば、牡馬ではルースリンドを思い出します。ルースリンドは9戦未勝利で南関東入りをし、2006年から2010年の重賞戦線で4勝を挙げ、この路線のトップクラスに君臨するまでになり、現役引退後は種牡馬へ。

現在は、5月19日の大井記念S1に向けているというフィアットルクス。中央未勝利馬から南関東の重賞ウイナーになる馬はほんの一握りで貴重な存在。さらにどんな活躍を見せていくのか楽しみです。

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など