4コーナー先頭から押し切る
GDJ女王めざし次走は園田へ
大井、高知、佐賀から各1頭、金沢から2頭の遠征馬を迎えて行われたグランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズン第4戦。最高気温が26度を超え、「照り返しが眩しくて、暗い色のゴーグルを着けています」と地元の宮下瞳騎手が話すような強い日差しの中、レースを迎えた。
パドックでは3歳牝馬とあって、繊細な性格が見え隠れした。ニジイロはいつも通りホライゾネットにシャドーロールのフル装備で元気に周回。サンシェリダン(高知)は「繊細な面があるので」(工藤真司調教師)と、パドックは周回せず、脇の繋ぎ場で厩務員に付き添われて過ごした。両者ともこうした対策が効き、レースで結果を残した。
前者は少しテンションが高いのではないかと感じられたが、「いつも通り」と川西毅調教師。その言葉通り、ニジイロは3番手からレースを運んで4コーナーで先頭に立つと、2着サンシェリダンを3馬身離して重賞2勝目を挙げた。さらに2馬身離れた3着に逃げ粘ったダイセンハッピー、4、5着は差してきたティーズダンキーとリアルスピードだった。
勝ったニジイロは1月の姫路・兵庫クイーンセレクションでは3コーナー手前から早めに動いて重賞初制覇を果たした実績馬。地元でも強さを見せたが、「ジョッキーの話では、フワフワして走っているようです」と川西調教師が話せば、初騎乗の岡部誠騎手も「道中はずっと手応えが怪しいなと思っていて、ずっと僕は不安というか、馬に『がんばってくれ』という感じで乗っていました」と振り返る。
今後はレースでの集中力などに課題が残るが、「遠征に行った方が力を出せると思います」と川西調教師。そうなれば、残り4戦すべてが他場で行われるGDJ向きの馬と言えるだろう。現時点で同3歳シーズン2位。今後の結果次第で楽しみは広がる。
なお、岡部騎手はこれで地方重賞99勝目。昨年10月、地方通算4000勝を達成後に「次は重賞100勝したいですね」と話していた目標にリーチをかけた。「勝てるレースなら平場でも重賞でも1つずつ勝ちたいです」と区切りの勝利を目指す。
GDJ3歳シーズン暫定1位は2着で他地区の9ポイントを加算したサンシェリダン。前走佐賀のル・プランタン賞(2着)では高知移籍後初の遠征で、「馬のテンションが上がってしまいました」と赤岡修次騎手。今回は先述のようにパドックを周回せず、馬場入りも全馬が返し馬に行ったのを確認後、騎手が装鞍所で騎乗して向かうなど最善を尽くした。「佐賀の時より落ち着いていましたし、この感じなら牝馬同士なら全国で戦えそうですね。まだ本気で走っていませんが、やめ方も前走よりマシになっています」と赤岡騎手。こちらものびしろ十分と言えそうだ。
取材・文 大恵陽子
写真 岡田友貴(いちかんぽ)
Comment
川西毅調教師
調教に乗った大畑騎手から「体調はいい」と聞いていました。テンションはいつも通り。ジョッキーは「フワフワして走っています」と話していましたが、遠征に行った方が力を出せると思います。このあとは、のじぎく賞を視野に入れています。
岡部誠騎手
1800メートルは他馬も自分の馬もなかなか経験していなくて半信半疑でしたが、最後は持久戦でしのいでくれました。道中はずっと手応えが怪しいと思っていましたが、3馬身差をつけているので、こういうタイプなのかなと感じます。課題が残るかなと思いますが、逆に考えるとまだのびしろがありますね。