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アジュディミツオー


高橋華代子

2021.05.20 (木)

「気になるあの馬はアジュディミツオー」

提供:藤川ファーム

4月14日に大井競馬場で行われた東京スプリントは、柴田善臣騎手騎乗の1番人気リュウノユキナが重賞初制覇を飾りました。リュウノユキナはホッカイドウ競馬からデビュー。現在は中央所属として走り、オープンレースで2連勝を飾って、見事タイトルホルダーの仲間入りを果たしました。

そんなリュウノユキナの生産は、藤川ファームさん(新ひだか町)。

藤川ファームさんはオリンピックイヤーに縁があります。2000年のシドニーオリンピック時には、東京ダービーをヒノデラスタが、羽田盃はイエローパワーが優勝。2004年のアテネオリンピックの年には、アジュディミツオーが東京大賞典や東京ダービーを制覇。そして、今年の東京オリンピックイヤーには、リュウノユキナが東京スプリントを優勝。

リュウノユキナは生まれた時から骨量や筋肉がしっかりしてボリュームのある馬だったそうです。

そんなリュウノユキナの牧場の大先輩アジュディミツオーも、今年20歳。船橋の川島正行厩舎に所属し、東京大賞典連覇や帝王賞、川崎記念などを制して、地方所属馬初のドバイワールドカップにも挑戦し、地方競馬の一時代を築きました。

現役引退後はアロースタッドで種牡馬生活を送っていましたが、現在は生まれ故郷の藤川ファームさんに帰り、引き続き種牡馬として暮らしています。

藤川尚貴社長に最近のアジュディミツオーの写真をお送り頂きました。厩舎にいた頃から肉食動物のように王者の風格たっぷりな馬でしたが、今でもギラギラした雰囲気で、20歳には思えない体つきにも、正直驚いてしまいました。さらには、大人の色気もムンムン増してきたような(笑)。

「20歳じゃないですよね。ファンの方がいつ来てくださっても、『元気なミツオーで良かった』と思ってもらえるように、バッキバキに仕上げています(笑)。歴史的名馬に恥じないよう、責任を持って世話をしていきたいと思っています」(藤川社長)。

地方競馬にとってかけがえのない宝馬。どれほど大きな存在であったか計り知れません。

競走馬にとってほんの一握りの最高の幸せを手にしたアジュディミツオー。とねっこ時代に一緒に暮らしてきた皆さんと、再び愛たっぷりに包まれながら同じ時を刻んでいます。北の大地で、20歳。コロナ禍が落ち着いたら、また、会いたいです。

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など