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第5回佐賀ヴィーナスカップ

4頭の大接戦を制し重賞初勝利
  地元馬も2着好走で波乱の決着

グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンは、昨年同様に佐賀ヴィーナスカップから、レディスプレリュードJpnII(大井、10月7日)までの全9戦で争われる。このうち、読売レディス杯(金沢、8月10日)と秋桜賞(名古屋、9月2日)の施行日が昨年より若干早くなったほか、ビューチフルドリーマーカップ(8月29日)が水沢1900メートルから盛岡2000メートルへ変更となっている。

今年の佐賀ヴィーナスカップは佐賀から7頭、他地区からは南関東4頭(大井2頭、船橋、川崎各1頭)、愛知1頭が参戦。単勝1番人気は昨年のGDJ3歳シーズンで桜花賞(浦和)2着、のじぎく賞(園田)1着で総合3位のテーオーブルベリー(大井)、2番人気には重賞初挑戦ながら佐賀での21戦すべて連対し、5連勝中のゴールドメファ(佐賀)、続いてカラースキーム(大井)、アブソルートクイン(船橋)。この4頭が3.1倍から5.8倍と拮抗した人気に推されていた。

九州北部の梅雨入りは昨年より27日早い5月15日となり、この週も半ばに強い雨が降っていた。その影響で土曜日の開催は不良馬場でスタートしたが、土日ともに好天に恵まれて、日曜日は稍重まで回復。初夏の澄んだ空の下、佐賀ヴィーナスカップの発走を迎えることとなった。

好スタートを切ったミスカゴシマとジャングルキッドがハナをうかがう構えを見せたが、外からカラースキームがスッと伸びてきて先頭を奪取し、それを追ってアンバラージュが2番手を確保。スタートで外に大きく膨らんでダッシュが付かなかったアブソルートクインも中団まで盛り返し、ロカマドール(川崎)が9番手、テーオーブルベリーは10番手で縦長の展開に。

向正面に入ってアンバラージュが先頭を奪い、直線で押し切りを図るところにまず迫ったのはゴールドメファ。続いてシーアフェアリー(愛知)とロカマドールも上がってきて4頭の争いは、ゴール直前でロカマドールが抜け出して勝利。以下アンバラージュ、シーアフェアリー、ゴールドメファの順で入線。それぞれクビ差の大接戦となった。テーオーブルベリーはそこから1馬身半差の5着で、上位人気4頭はいずれも馬券圏内への進出はできなかった。

ロカマドールはJRA1勝から昨年6月に川崎へ転入。2戦目から山崎誠士騎手が騎乗しC1級から4連勝するなど、南関東で5勝。今回が重賞初挑戦だったが、混戦を制して他地区1着の15ポイントを獲得。陣営は今後のGDJ参戦に意欲を見せていた。

アンバラージュは昨年のこのレースでも同様に佐賀最先着(4着)だったが、今年は着順を2つ上げ、自地区2着の6ポイントを獲得した。昨年のGDJ古馬シーズンは計5戦して総合4位。前年同様のローテーションということになれば、ロカマドールとの再戦もありそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

山崎誠士騎手

すごい良い脚をつかって伸びてくれました。前がちょっと速い流れになったのでちょうど良かったのかなと思いました。馬もどんどん成長してくれて、これからも楽しみです。グランダム・ジャパンシリーズに出走すると思うので、応援をよろしくお願いします。