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第3回佐賀がばいダッシュ

馬なり先頭余裕で後続を振り切る
  新進気鋭の鞍上を背に連覇達成

佐賀競馬では唯一の900メートルで行われる重賞の佐賀がばいダッシュ。昨年はドラゴンゲートが11連勝を達成して勝利したが、その後は3度の敗戦を喫し、それまでの勢いはやや収まった感があるものの、依然佐賀短距離路線で主役を張っており、連覇を狙って出走してきた。

一方、佐賀転入後に1400メートル戦で4戦4勝のノーフィアー、4月に転入し初戦でドラゴンゲートに6馬身差で勝利したテーオーヘリオス、一昨年、昨年と佐賀がばいダッシュ2着だったエリザベスセーラといったところはこのレースに姿を見せず。ドラゴンゲートは昨年の単勝元返しにはわずかに及ばなかったものの、単勝1.1倍の圧倒的人気に推されることとなった。

好スタートを決めたミスカゴシマとエイシンテキサス、2頭のハナ争いかと思われたが、その内から悠々とドラゴンゲートが並びかけていき先頭を奪取。4コーナーでミスカゴシマ鞍上の石川慎将騎手がムチを入れながら懸命に追い上げを図る一方で、ドラゴンゲート鞍上の飛田愛斗騎手はほとんど手を動かさず、振り返って後続との差を確認する余裕を残していた。

直線でも飛田騎手はムチを入れずに差を広げていき、最後は左手を真横に伸ばすパフォーマンスを見せてのゴールイン。2馬身半差で単勝2番人気ミスカゴシマが入り、終始内を回っていたジャングルキッドがさらに1馬身半遅れの3着となった。

連覇を達成したドラゴンゲートを管理する三小田幸人調教師は「ここを目標に仕上げていましたし、夏に弱いところもあるので、この後は休ませます」とレース後に語り、昨年同様に習志野きらっとスプリントへは遠征しないとのことだ。

今年度は秋以降の短距離路線がさらに整備され、サマーチャンピオンJpnIII(9月1日)後も、既存の2重賞に加えてゴールドスプリント(1月10日、1300メートル)、九州クラウン(3月13日、1400メートル)を新設。なかでもゴールドスプリントは地方全国交流となっており、ドラゴンゲートには佐賀の大将格としての大きな期待がかかるところだ。

飛田騎手は昨年10月デビューで、初勝利まで35戦を要したが、その後はハイペースで勝ち星を積み重ね、2021年リーディングは2位(72勝)に付け、通算94勝(うち重賞3勝)を挙げている(6月6日終了時点)。7月3日までに100勝を達成すれば、吉原寛人騎手(金沢)が持つ地方最速100勝記録を更新することとなるが(1973年4月以降の記録)、このペースなら大幅な記録短縮も見込めそう。2021ヤングジョッキーズシリーズへの出場も予定されており、全国区へ羽ばたいていく1年となりそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

飛田愛斗騎手

ドラゴンゲートは(スタートで)仕掛けると次のレースに響くところがあるので、持ったままで(馬が自分で)行く分だけにしました。3コーナーでは1頭で気持ちよく走らせた方がいいとのかなと思い抜け出しましたが、手応えもバッチリで良かったです。