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第1回川崎スパーキングスプリント

2番手から直線突き放しての完勝
  成長感じさせる1年ぶりのタイトル

スーパースプリントシリーズ2021第3弾は、今年から重賞に格上げされた川崎スパーキングスプリント。南関東4競馬場のスピード自慢たちが、川崎競馬場の900メートルを舞台にスリリングな戦いを展開した。

全日本2歳優駿JpnIの勝ち馬ヴァケーションや、優駿スプリント優勝馬ナガタブラックとカプリフレイバー。フリオーソ産駒でユングフラウ賞を制したポッドギル、かきつばた記念JpnIII・3着以来1年1カ月ぶりの実戦となったドリームドルチェ、この条件を得意としてきた韋駄天ダンディーヴォーグなど、様々な顔ぶれが集結した。

その中で1番人気に支持され圧勝したのが、真島大輔騎手と久しぶりにコンビを組んだカプリフレイバー。船橋生え抜きで1000、1200メートルは無敗のまま昨年の優駿スプリントを制したものの、その後は苦しい戦いが続いてきた。

「もっと走れる馬だと思ってきましたが、なかなか結果が出せなかったので、今日の勝利はうれしいです」と、管理する稲益貴弘調教師も胸を撫でおろしていた。

カプリフレイバーは、前走のフジノウェーブ記念(12着)ではゲートで立ち上がるようなところがあったため、リフレッシュ放牧に出して一度リセット。帰厩後には川崎競馬場のきついコーナーを課題に置き馬場見せを行うなどして、ここに向けてきたそうだ。

レースは、ダンディーヴォーグが二の脚の速さで一気に先頭へ立つと、カプリフレイバーも出ムチを入れながら2番手につけた。その後ろにはフランシスコダイゴやポッドギル、ヴァケーションが追走していった。

ダンディーヴォーグが先頭のまま直線を迎えたが、その外からカプリフレイバーが一気に交わして後続を引き離し、力の違いを見せつけるかのようにゴールした。勝ちタイムは52秒4(良)。ダンディーヴォーグは2馬身半差2着で、ここまでが習志野きらっとスプリントの優先出走権を獲得。3着にはポッドギルが入った。

稲益調教師は、カプリフレイバーのこれまでのベストパフォーマンスとして3歳時の若潮スプリントを挙げていた。この時は逃げて2着に8馬身差をつける圧勝劇。それ以来となる手綱を取った真島騎手は、「久しぶりに乗せていただいて、体もしっかりしてすごく成長しているなぁと感じました。もっともっと大きいところを狙える馬だと思います」

この後は、スーパースプリントシリーズのファイナル・習志野きらっとスプリントに参戦予定。サウスヴィグラスを父に持つカプリフレイバーには、この勝利をきっかけにさらなる飛躍を期待したい。

取材・文 高橋華代子

写真 築田純(いちかんぽ)

Comment

真島大輔騎手

スタートでちょっと不安なところはありましたが我慢してくれて、道中もスムーズにうまく走ってくれました。人間に余裕はありませんでしたが、馬の方はすごく余裕がありました。900メートルは忙しいイメージでしたがすごく器用にこなしてくれて良かったです。まだこれからの馬なので楽しみですね。

稲益貴弘調教師

このレースに向けて、ここまで待って順調に調教を積んできました。普段は従順で扱いやすい馬ですが、ゲートが少し悪くなって心配していたのですが、いいレースでしたね。船橋記念の時にフジノウェーブ記念の1400メートルも大丈夫かなと思いましたが、結果的には1200メートルまでの方が良さそうです。