金沢競馬場は昨年の9月27日から場内に観客が入ることが可能になり、開催日には無料バスも運行。場内の入場者数には1300名という上限がありますが、雰囲気的にはそこまで達することはほとんどない感じがします。
そうなると厳しいのは場内の飲食店や売店。スタンド内にある売店のいくつかは営業しておらず、パドックの奥にある10軒の食堂街も開いている店が半分程度。この「馬美味行脚」で2回ほど紹介した「世界館」も、私が行った火曜日はシャッターがピッタリと閉じていました……
そんななかに新しいお店が1軒。まずは地元在住の常連さんにリサーチして、そして入ってみることにしました。
店内はL字型のカウンターという、この食堂街の基本的な造り。それを利用しつつリフォームをしたようで、明るい雰囲気がある店内になっています。
さて注文は、このラインナップだったらホルモンかな。カレーは昼に食べたことだし。ということで、ホルモン丼に決定!
さて、どんな姿で出てくるのかなと思っていると、マスターがキャベツを刻んで、フライパンで炒めている!
多くの場合、ホルモン丼は「煮込み」をごはんの上に載せるもの。
それがこの店は、壁に貼られている「ホルモン炒め」がごはんの上に来るのですね。それで「ホルモン炒め」が500円で、「ホルモン丼」が550円。もう少しお値段を上げてもいいんじゃない?
ていねいな料理をカウンター越しに見つつ、到着した「ホルモン丼」からはしょうゆと味噌の香りがふんわり。
正直なところ、お昼のカレーがわりとガッツリだったので、まったく空腹ではなかったんですよ。でもこれは美味。あっさり完食することができました。
しかしこのご時世に新たに店を始めるというのは、なかなかのチャレンジですねえ。
「昔から競馬場でお店をやってみたかったんです。でもなかなか空きが出なくて。もともとキッチンカーで営業していまして、お店を構えるのは今回が初めてです。競馬場の店舗に空きが出たことを知って申し込んだとき、競馬場の人には『たぶん売上的には厳しいですよ』と言われたんですが、まあ確かにそうですね(笑)」
と、店主の内田知成さん。内田さんのポロシャツにはお店の屋号がプリントされています。
ところで11月3日はJBC。その日にたくさんのファンが入れることになったら、この業態ではオペレーションが難しくなりそう。
「そうですね。そのときはキッチンカーとダブルでやろうかな」
今後の発展が期待される金沢競馬場のニューフェイス。次回の訪問時にも立ち寄ろうと思います!
浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。