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キャッスルトップ


高橋華代子

2021.07.20 (火)

「気になるあの馬はキャッスルトップ」

7月14日に大井競馬場で行われた3歳ダート王決定戦は、仲野光馬騎手がエスコートした12番人気キャッスルトップ(船橋・渋谷信博厩舎)が逃げ切り勝ちを収めました。中央馬たちが迫ってくる中でのあの渋太さ、本当にすばらしいパフォーマンスでした。

「能力試験の頃から動きの軽い馬でしたが、まさかここまでの馬になるとは……というよりも、ジャパンダートダービー当日でさえ、自分の競馬をして見せ場が作れればいいなぁと思っていたくらいだったので緊張感はありませんでしたが、終わってからの方が感動で震えがきました」(渋谷調教師)。

ジャパンダートダービーは補欠5番手でしたが、最終的には繰り上がって出走可能に。そもそもは翌週からの船橋開催の自己条件も選択肢に入っていたそうで、最終追い切りで抜群の動きを見せたことから、ジャパンダートダービーへ。もし出走しなければ、こういうドラマも生まれませんでした。

キャッスルトップは父がバンブーエール、母はジーガートップラン、母父がマヤノトップガンという血統。城市公オーナーの生産馬で、担当の城市幸太厩務員は息子。昨年10月に船橋競馬場からデビューすると、初勝利までに9戦を要しました。初勝利は今年5月に挙げ、そこから一気に4連勝。重賞初挑戦が重賞初勝利、さらにはJpnⅠ制覇!

「馬もどんどん成長していて、悪いところがないくらいにとても順調でした。前はスタートで遅れていましたが、ゲートで尾っぽを取るようになってからハナを切れるようになって、最後も来られたらまた伸びる形で勝負根性を発揮してくれるようになりました」。

過去に優勝した地方馬たちは、初代チャンピオンのオリオンザサンクスを筆頭に、トーシンブリザード、フリオーソ、マグニフィカ、ヒガシウィルウィンとそうそうたるメンバーで、新たにキャッスルトップも仲間入りをしました。

「9戦目が初勝利という馬がJpnⅠを勝つのはなかなかいないかもしれません。逆に無理はさせずに使っていきながら、基礎体力がついてきたのかなぁとも思っています。これで終わりにはしたくないのでまた頑張っていきたいです」。この後は戸塚記念や、年末には東京大賞典なども視野に入れていきたいそうです。

5月の時点では3歳の下のクラスで走っていた馬が、2か月後にはJpnⅠ馬になるというのも、夢がありますね。

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など