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第15回秋桜賞

断然人気に応え7馬身差圧勝
  大井の最終戦でGDJ制覇目指す

8月10日に予定されていた金沢の読売レディス杯が中止になったことで、グランダム・ジャパン古馬シーズンのポイント計算に狂いが生じたのがグランデストラーダとシーアフェアリー。前者はスパーキングレディーカップJpnIIIから2カ月ぶりの実戦になり、後者は地元戦から中1週というローテーションになった。

それでも人気はこの2頭に集まり、グランデストラーダが単勝1.7倍の断然人気。2014年のピッチシフター以来となる地元馬の勝利を狙うシーアフェアリーは3.8倍でレースを迎えた。

結果はグランデストラーダが7馬身差で圧勝。逃げたサノマナの後ろでタイミングを計り、4コーナー手前で先頭に立ってからは独走という内容だった。急遽の依頼を受けた赤岡修次騎手は日曜日にレース道具をあわただしく鞄に詰めていたが、その甲斐あって昨年のサラーブに続いて秋桜賞連覇になった。

藤田輝信調教師も連覇。「金沢が中止になって人間は心配したんですが、馬はまったく影響がなかったですね」と、ホッとした様子だった。さらに馬主の(有)シルクレーシングも連覇。「これからもチャンスがある馬は、こういう形にしたいですね」と、臨場した同社スタッフも笑顔を見せていた。グランデストラーダはJRAで3勝目を挙げて以降の成績がいまひとつ。そこで今年から大井に移り、スパーキングレディーカップJpnIIIで3着に入った。JRA所属のままではダートグレードに出られる可能性が低いのだから、この選択は成功したといえるだろう。となればもちろん、次の目標は古馬シーズン最終戦のレディスプレリュードJpnII。

続く2着と3着にもポイント争いの上位にいる2頭が入った。2着のロカマドールは1コーナーほぼ最後方から、4コーナーではインコースを突いて一気に上昇。その結果に山崎尋美調教師が大喜びしていた。

3着のシーアフェアリーも岡部誠騎手によると「(安部幸夫調教師が)大井に行くようなことを言っていました」とのこと。「内から来られましたが、今は最後まで頑張れるようになりましたね」と、6歳になっての成長を感じているようだ。

逆にくやしい思いが残ったのが佐賀から参戦のミスカゴシマ。前日のサマーチャンピオンJpnIIIではなく遠征競馬を選んだが、3着とはハナ差での4着だった。「4コーナーで外に膨れた分ですね。ただ、輸送は問題なかったですし、メドが立ったという感じはします」と、平山宏秀調教師。こちらは来年のシリーズ参戦を期待したいところだ。

しかし今年の優勝争いはとても熾烈。現在、表彰対象となる地方所属馬の1位はロカマドールで29ポイント。グランデストラーダは25ポイント、ビューチフルドリーマーカップを制したラインカリーナが24ポイントで、シーアフェアリーが21ポイントで続いている。そしてサルサディオーネは20ポイント。

最終戦には20ポイント以上を獲得している地方馬5頭がすべて出走する可能性が高く、地方所属の最先着馬には15ポイント、2番目には10ポイント、3番目には5ポイントのエクストラポイントが加算される。目指すのはひとつでも上の着順だ。各陣営とも10月7日の決戦に向けて、気合いが入る1カ月になることだろう。

取材・文 浅野靖典

写真 岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

赤岡修次騎手

実力的には上位だろうとは思っていましたが、小回りコースでの1400メートルはどうかなというところはありました。それでもカーブでうまく走れて、1コーナーでの手応えが違ったところで大丈夫かなと。最後は独走でしたが、気を抜かせる形にはしたくなかったので、ゴールまでしっかりと追いました。

藤田輝信調教師

行きたがる面があるので距離に関しては大丈夫と思っていました。あとは小回りコースが心配でしたが、赤岡騎手が急かさないほうがいいと話していましたし、レースに関してはお任せしました。無事にポイントを加算できたので、昨年のサラーブに続いてグランダムのタイトルを獲りにいく予定です。