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佐賀競馬場「のだ屋」


浅野靖典

2021.09.09 (木)

「イケメン」(500円)

佐賀競馬場は昭和47年、つまり1972年7月1日から現在の場所で開催されているので、来年の7月1日が移転50周年。競馬場には来年が開業50周年となるお店もあります。

そのうちのひとつが「のだ屋」さん。競馬場に入った右側に2つ並んでいるラーメン屋さんの奥のほうのお店です。その看板には「昭和47年創業」という文字があります。

「昔は週3回の開催だったし、お客さんの数は今と比べ物にならないくらいだったし、そりゃもう忙しいなんてもんじゃなかったよ」と、ご主人さん。若かったからその状況を乗り越えられたんでしょうね。わかります(笑)。

最初は焼きそばとお好み焼きのお店としてスタートしたそうですが、徐々に業態を変更。6軒並んでいたテイクアウトの店舗が減ったことで、店頭での食事エリアが広がることになりました。

ここではラーメンを食べたことしかないなと思いながら席につくと、目に飛び込んできたのが「イケ麺」。

「ラーメンの麺をこんがりと焼き、独自スープでたべる」

これはどういうものか、いまひとつ想像がつかないなあ。百聞は一見に如かず。これ食べてみよう!

注文すると、厨房からフライパンの音がしてきました。何回か「スープ焼きそば」を食べたことはあるけれど、それとは違う感じかな?

「ハイ、おまたせ~」という言葉とともに到着した「イケ麺」は、ラーメンっぽい姿はしているけれど、ラーメンとはちょっと違うもの。スープには透明度があって、そして麺がかたまっていますからね。

食べる前に全体写真を撮っている間に焼かれた麺がスープを吸ってきましたが、それでも箸で麺を持ち上げてみるとパリッとした感覚が残っていました。ちなみに私が自宅で焼きそばを作るとき、すこし麺を焦がしてから水を入れるんですよ。だからこの焦げ目がついた麺はけっこう好き。

でもそれを「独自スープ」に入れることは考えたことがなかったなあ。でも、このメニューはわりと歴史があるようで、単に私が知らなかっただけだったみたいです。

ところで2022年は創業50周年。跡継ぎがいらっしゃるのかしら?

「昔は忙しくて楽しかったけれど、土日が仕事だったから子供たちとの時間を作れなくてねえ。だから私たちの代でオシマイにする予定」

とのこと。競馬場に来る人の数は減っているご時勢でもありますし、そういったところを含めて「暖簾を守って」とは言いにくいですよね。そういう状況にいろいろと思うところはありますが、まずは無事に50周年を迎えてほしいと思います。来年の開催日程は発表されていませんが、7月1日は金曜日。その前後に佐賀競馬場を訪問して、50周年をお祝いしたいと考えています!

浅野靖典(あさのやすのり)

競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。