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第18回ロータスクラウン賞

向正面先頭から押し切る
 断然人気に応え三冠達成

ロータスクラウン賞は以前は9月下旬や10月初頭に定着していたが、一昨年は9月1日、昨年は8月16日に実施。今年は前年から約1カ月繰り下がり、3年連続で開催時期が変動している。その結果、西日本ダービー(9月14日、名古屋)と日程が近接し、メンバーの分散が懸念されたが、今年の佐賀3歳戦線は西日本ダービーに出走資格のない他地区デビュー馬が優勢。同レースには重賞未勝利馬2頭が向かったため、ロータスクラウン賞にはここまでの2、3歳重賞で佐賀所属の勝ち馬のべ5頭のうち4頭が出走と、佐賀3歳三冠最終戦にふさわしいメンバーが集結することとなった。

ここまでの重賞戦線は、佐賀皐月賞、九州ダービー栄城賞の二冠など、重賞4勝のトゥルスウィーが圧倒。単勝では三冠のかかる同馬が1.3倍の1番人気に推され、高知から唯一の遠征馬ナムラゴローが8.2倍、飛燕賞でトゥルスウィーに勝利したテイエムサツマオーが8.6倍と2、3番人気の馬を大きく引き離していた。

ロータスクラウン賞は日没直前の時間帯に組まれていたが、このころ競馬場上空は厚い雲に覆われ、周囲は急速に暗くなり始めていた。そのため、走路やスタンドの照明が点灯し、ほとめきナイター(今秋は9月25日より実施)開催を先取りしたような雰囲気のなかで発走を迎えることとなった。

ブラーブサージュがハナをすんなりと奪うと、好スタートを切ったトゥルスウィーが2番手、飛燕賞では逃げ切り勝ちを収めていたテイエムサツマオーは3番手の位置取りとなり、隊列はすんなりと収まった。トゥルスウィーにとっては前に馬を置くポジションが理想ではあったが、1コーナーでブラーブサージュの外に並びかけていき、向正面に入るとすぐに先頭を奪取。これを追ってタガノリヴェラーノとナムラゴローも位置取りを上げて行った。直線で粘り込みを図るトゥルスウィーをタガノリヴェラーノが追うものの、その差は縮まらずトゥルスウィーが三冠達成のゴールイン。以下、1馬身1/4差でタガノリヴェラーノ、そこから半馬身差にナムラゴローと2、3着にはここが重賞初挑戦の2頭が入った。

佐賀の3歳三冠が現行の佐賀皐月賞、九州ダービー栄城賞、ロータスクラウン賞の体系となった2018年以降では、19年のスーパージンガ以来2頭目。それ以前の三冠体系を含めると4頭目の三冠馬誕生となった。

トゥルスウィーを管理する北村欣也調教師は、騎手として02年にカシノオウサマで、当時の九州3歳三冠を勝利しており、佐賀競馬初の『騎手と調教師の両方で三冠達成』の快挙となった。今後は「秋の鞍(10月11日、名古屋1400メートル)や兵庫クイーンカップ(10月22日、園田1700メートル)を考えている」(北村調教師)とのこと。一方、佐賀では九州大賞典(11月7日)、中島記念(12月26日)の古馬中長距離重賞が控えており、こちらに出走してきても優勝候補となりそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

山口勲騎手

位置取りは気にしていなかったが、もう少し折り合いを付けたかったので、上手くいったという感じじゃありませんでしたが、馬の力で勝てました。馬も成長して体もよくなって、順調に来てるんじゃないかなぁとは思っています。1番人気で三冠を獲れてよかったと思います。