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第2回ゴールドジュニア

直線人気馬を突き放し9馬身差
  破格のタイムでデビュー3連勝

昨年から重賞に格上げされ、未来優駿の初戦として実施されたこのレース。その初代勝ち馬となったアランバローズは、のちに全日本2歳優駿JpnI、東京ダービーを制し、初年度から存在価値を高める結果となった。ただ、今年は1400メートルから1200メートルに変更。これが今後にどう影響するか、のちの評価を待ちたいところだ。

単勝オッズはホッカイドウ競馬で4戦3勝の実績を引っさげて移籍したコパノミッキーが2.0倍、デビューから2連勝中のママママカロニが2.3倍で、この2頭に人気が集中。新馬戦で好時計勝ちを収めたグロリアスセプターが8.2倍で続いたものの、以下はふた桁で2歳戦のわりには極端なオッズ傾向となった。

レースは最内枠を引いたコパノミッキーが押して先手を奪い、ママママカロニは外の3番手を追走。4コーナーでママママカロニが外からじわりと先頭に並び掛けると、人気2頭の激しい叩き合いを予感させた。

しかし、決着はあっさりついた。直線に向き、ママママカロニが持ったまま1馬身ほど前に出ると、ややモタれながらも一気に脚を伸ばす。残り200メートル付近で早くも3、4馬身差。その後も脚いろは衰えず、ゴールでは9馬身差をつける圧勝で、今年最初の南関東2歳重賞を制した。

時計の出やすい馬場だったとはいえ、勝ち時計の1分11秒5(稍重)は破格で、上がり3ハロンも36秒5と2歳戦としては別次元。矢野貴之騎手が「すんなり3番手が取れた時点でリズム良く運べるなと思いましたが、想像以上の強さでびっくり」と話せば、約3年8カ月ぶりの重賞制覇となった森下淳平調教師も「(前走後は)初めて順調にきて、馬も変わってきていたのですが、まさか1200メートルでここまで強い勝ち方ができるとは」と目を丸くした。レース前にはもう少し後ろから差す競馬を想定していただけに、スムーズに先行したのは大きな収獲。着実な成長を見せて3連勝を果たし、今年新設された2歳チャンピオンシリーズにおいても7ポイントを獲得した。

コパノミッキーは直線で早めに交わされたものの、後続の追撃を振り切って2着。笹川翼騎手は「終始物見をしていて、能力の半分も出せていない感じでした。慣れれば違うと思います」と無念の表情を見せた。小林分場に在籍しているため、初めての大井コースが響いたかたち。次走以降で真価を問いたい。

当日の古馬B3戦を0秒8も上回る好時計で勝ち、高いスプリント能力を示したママママカロニだが、もともと陣営は距離を延ばしていくプランを考えており、短距離には固執していない。矢野騎手もレースセンスの高さを口にしているうえ、血統面からも幅広い距離に対応できるだろう。南関東の枠を飛び越える活躍を期待したい。

取材・文 大貫師男

写真 宮原政典(いちかんぽ)

Comment

矢野貴之騎手

能力があるのは分かっていましたが、無事に結果が出てホッとしました。見た目は小さくて可愛らしい馬だなという感じですが、走らせるとものすごいバネがあるので、今回みたいな勝ち方をしてくれると先が楽しみになります。キャリア3戦目なので、これからどう成長するか僕自身も楽しみにしています。

森下淳平調教師

理想的な競馬ができました。もう少し絞っても良かったかもしれませんが、そうすると精神的にも高ぶり過ぎて、自分の走りができなくなってしまうと思っていたので、ちょうどいい余裕があったと思います。ハイセイコー記念まで間もありますし、次走はオーナーと相談して決めたいと思います。