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第25回シリウステークスGIII

直線早め先頭から粘り込む
  期待の4歳馬が重賞初制覇

過去3年の勝ち馬にオメガパフューム、ロードゴラッソ、カフェファラオが名を連ねているように、その後のダート中距離路線を占う重要な一戦。さらにオメガパフュームとロードゴラッソがこのレースを勝った直後、JBCクラシックJpnIへ駒を進めたことからも、ダートの祭典に直結するレースだ。

1番人気の推されたのは、唯一の3歳馬ゴッドセレクション。デビューから7戦を消化し、重賞勝ちこそないものの、兵庫チャンピオンシップJpnII、ジャパンダートダービーJpnIでそれぞれ2着と、春シーズンは地方のダートグレードで能力を示してきた。これにBSN賞勝ちのブルベアイリーデ、ダートGIIIで連続4着のダノンスプレンダー、オープンの三宮ステークスを勝ったサンライズホープが上位人気を形成した。

逃げたのは11番人気のリアンヴェリテで、ゴッドセレクションが絶好の2番手。サンライズホープ、ブルベアイリーデがその後ろを追走し、人気馬が先団を形成した。

4コーナーでもリアンヴェリテが先頭だったが、直線を向いて一気に後続が殺到。手応え良く抜け出したのはサンライズホープで、その内に進路をとったブルベアイリーデも懸命に馬体を併せにいく。しかし、最後はサンライズホープがこれを振り切り、最後方から追い込んできたウェスタールンドの猛追も退けて重賞初制覇を飾った。

スタートからゴールまで、終始スムーズだった。サンライズホープは無理なく先団に取りつくと、外めを気分良く追走。勝負どころでも包まれることなく、能力をいかんなく発揮できた印象だ。軽快な先行力があるぶん、地方の小回りコースにも対応できそうで、これまで阪神と京都で2勝ずつと右回りにも不安はない。金沢のJBCクラシックJpnIも含めた地方ダートグレードでも注目を集めそうだ。

9歳の古豪ウェスタールンドも、持ち味を存分に発揮して2着。重賞勝ちは昨年のアンタレスステークスGIIIのみだが、その昨年はダイオライト記念JpnIIで2着、浦和記念JpnII、東京大賞典GIでともに3着と、地方でも好走歴がある。今回はハンデ58キロを課せられたが、メンバー最速の上がり時計をマークしたように、力は衰えていない。今秋も円熟の走りを見せてくれるだろう。

3着にはブルベアイリーデが入った。距離に応じて自在に立ち回れるのが強みで、これで8戦続けて5着以内と、安定した走りを見せている。今後も器用さを武器に、ダート路線を盛り上げるに違いない。

ゴッドセレクションは3~4コーナー中間あたりから後退し、最下位の16着に敗れた。道中はリズム良く追走しているように見えたが、勝負どころで反応がなかった。初めての古馬のペースに戸惑ったような印象を受けた。ただ、今回のレースも大きな経験となるはず。次戦以降の巻き返しを期待したい。

取材・文 大貫師男

写真 JRA