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ヤングジョッキーズシリーズ TR 船橋

池谷騎手が川崎の無念を晴らす
  TR2勝目の篠谷騎手が首位浮上

ヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドの東日本地区も終盤戦。トライアルラウンド(TR)船橋に出場する地方騎手10名のうち3名、JRA騎手6名のうち4名がTR最後の出場となる予定で、ファイナルラウンドに向けて大事な戦いとなる。

なお、1競走騎乗の大木天翔騎手(大井)が怪我のため、仲原大生騎手(大井)に変更。2競走騎乗の菅原涼太騎手(大井)が怪我のため、池谷匠翔騎手(川崎)、赤津和希騎手(浦和)にそれぞれ変更となった。

ヤングジョッキーズシリーズでは騎乗馬と初コンビの場合がほとんどだが、第1戦は南関東の騎手のうち4名が騎乗経験のある馬とのコンビ。特に木間塚龍馬騎手(船橋)は、3戦続けて馬券圏内と好走している自厩舎のお手馬を引き当てた。人気を集めるのは当然で単勝2.2倍と1番人気に支持された。

その木間塚騎手は、逃げる木幡育也騎手(JRA)の2番手につけた。3番手に横山琉人騎手(JRA)、その後ろに永野猛蔵騎手(JRA)や山田敬士騎手(JRA)など好位はやや固まった状態でレースが進んだ。4コーナーで早くも先頭に立った木間塚騎手。直線に入りそのまま押し切るかに見えたが、勝負はそんなに簡単ではなかった。勝利を手にしたのは外から勢い良く迫ってきた8番人気の池谷騎手だった。ゴール前で木間塚騎手を捉え1着の30ポイントを獲得。1馬身半差の2着に木間塚騎手、さらに1馬身半差の3着は最後まで粘った5番人気の横山騎手が入った。

「前回の地元がダメダメだったので結果が残せて良かったです」と満面の笑顔で語った池谷騎手。TR川崎では、第1戦で競走除外、第2戦では1番人気で7着同着に敗れるなど結果が残せず悔しい思いをした。今回は騎乗予定の変更で1鞍騎乗となったが「これをチャンスだと思いました」と見事リベンジを果たした。

一方、対照的な表情だったのが2着の木間塚騎手だ。「仕掛けが少し早かったですし、4コーナーで外に膨れてしまいました。あれがなければ勝っていたかもしれません。川島(正一)調教師も応援してくださったし、人気にもなっていたのに悔しい。もっと勉強して良くしていきたいです」と反省しきり。それでも20ポイントを獲得できたことでファイナルラウンドに大きく繋がったことを伝えると、木間塚騎手は「次もかんばります」と気持ちを切り替えていた。

第2戦は単勝1.9倍と圧倒的な支持を集めた地元船橋の篠谷葵騎手が、しっかりと人気に応えてみせた。ゲートが開くと、誰が逃げるのか牽制し合っている様子だったが1番枠の神尾香澄騎手(川崎)が先頭、2番手に小林脩斗騎手(JRA)が続き、篠谷騎手はその外め3番手でレースを進めた。向正面で後ろから動いていく騎手も見られる中、篠谷騎手は抜群の手応えで3~4コーナーを回り、直線でも余裕たっぷりの走り。最後は3馬身突き放しての完勝だった。2着は2番手で粘った12番人気の小林騎手。向正面からまくって直線も良い脚で伸びた古岡勇樹騎手(川崎)が3着に入った。

「楽でしたね。馬が強かったです」と振り返った篠谷騎手。TR最後のレースが地元ということでプレッシャーもあっただろうが、落ち着いた騎乗と、冷静な受け答えが印象的だった。これでTR2勝目をあげ、86ポイントと地方・東日本地区のトップ。ファイナルラウンドへの切符をほぼ手中に収めた。昨年は怪我のため戦線離脱をしただけに今年こそはの気持ちだろう。

2位で75ポイントの古岡騎手はTR浦和での1鞍を残している。「浦和は地元川崎の次に勝っている競馬場なので自信はあります。葵を抜きたいです!」と意気込みを聞かせてくれた。3位で62ポイントの木間塚騎手は今回でTRは終了予定。「JRAは受験もしたんです。ファイナルに行って乗ってみたいです」と目を輝かせていた。

JRA・東日本地区の順位は1位が山田騎手で58ポイント、2位が木幡騎手で54ポイント、3位が菅原明良騎手で53ポイントと大混戦。こちらは最後まで全く分からない状況だ。

東日本地区のTR最終戦の舞台は、11月24日の浦和競馬場。ここでいよいよファイナルラウンド出場者が決定する。

取材・文 秋田奈津子

写真 国分智(いちかんぽ)

Comment

第1戦1着 池谷匠翔騎手(川崎)

前回の川崎での成績が振るわなかったので今日は勝たないといけないと思っていました。最後は脚を使うと聞いていたので直線勝負に賭けようと考えていましたが良く伸びてくれました。道中は馬を楽に行かせることに集中して、慌てずにギリギリまで脚をためました。ゴールの瞬間は本当に嬉しかったです。

第2戦1着 篠谷葵騎手(船橋)

結果を出せて良かったです。手応えも良かったので自信を持って乗りました。初距離だったのでゆっくりいければなと考えていて、追い出しを待ってという感じでした。馬が強かったので僕は何もしていないです。ファイナルでJRAで乗れることは嬉しいですし、いつもやっている通りがんばるだけですね。