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第48回南部駒賞

好位追走から直線抜け出す
  今年も北海道勢が上位独占

当日は第9レース終了後から雨がポツポツ(発表は曇)。日中の気温は16度、ライトアップされる時間帯には一気に12度まで気温は下がってきたが、幸いにも風がなかったことで屋外で観戦しても例年よりは寒さを感じなかった。

昨年より若駒賞に替わり南部駒賞が未来優駿に。それを制覇したギガキングは年を越して南関東・船橋競馬に移籍し、力をつけて先日のダービーグランプリで見事に接戦を勝利。南部駒賞の注目度もアップ。

JBC2歳優駿JpnIIIが3日後に控えていることでホッカイドウ競馬勢に一線級は不在だが、虎視眈々と4頭が参戦。南関東からの出走もなく、抜けた注目馬がおらず、人気・オッズが示すとおり激戦模様。1番人気に支持されたのは岩手・カクテルライト。ホッカイドウ競馬でデビュー勝ちして岩手転入後は持ち味のスピードを武器にビキナーズカップ、若駒賞と重賞2連勝の勢いで単勝3.0倍。門別3勝でJRA札幌芝・すずらん賞6着以外は崩れていないドラゴンゴクウが3.9倍の2番人気。前走イノセントカップ4着と強敵に揉まれてきたエイシンシュトルムが4.0倍の3番人気。以下、クロールキックが7.0倍、モリデンブラックが7.1倍、レオンボーイが8.8倍と9頭中6頭のオッズが10倍を割ることに。

スタートは気合をつけて予想どおりカクテルライトが先手を主張。クロールキック、ドラゴンゴクウが折り合いをつけて続き、4番手にエイシンシュトルム。バックストレッチは淡々と流れていたが、若駒賞(前半600メートル12.8-11.7-11.9)に比べると馬場差はほぼ変わらないが流れは0秒8ほど速く、ラップを見れば先行馬には厳しい展開。

勝負どころの残り600メートルでエイシンシュトルムが3番手へ追い上げ、中団後ろから内々を回りモリデンブラックも射程圏へ。直線へ向くとカクテルライトがいっぱいとなり、クロールキックが抜け出すところを外からエイシンシュトルムが坂を登って一気に突き放した。2馬身差という着差以上に強い勝ちっぷり。初の重賞タイトルを遠征競馬でものにした。

勝ちタイムの1分39秒8(ラップは、12.6-11.2-11.8-12.3-12.7-13.1-12.7-13.4)は昨年のギガキング1分38秒4(馬場差が-0秒9)より1秒4遅いが今年の盛岡ダートは時計を要す馬場ということを考慮すれば互角と見るべき。

「4月の能検は切れる脚はあったが競馬を使って思うような走りが……。それでも今日みたいに勝負どころで持ったまま動けるのはこの馬の能力です。ただ、このメンバーなら大差勝ちするくらいの力はあるはずですが、まだ遊びながら走っているので今後の課題です。12本も追い切って輸送競馬で当日はプラス1キロと絞れてこない。馬体はまだ良くなってくるでしょう。跳びが大きく小回りの左回りだったら厳しかったかも。ワンターンのマイル向き、芝も合うかもしれませんね」と山本咲希到騎手。

取材・文 峯村正利

写真 佐藤到(いちかんぽ)

Comment

山本咲希到騎手

距離は1600メートルが一番合っている感じですね。理想はハナを切ってですがテンは速くないので、それでもいいポジションは取れました。左回りは調教の時から外へ張っていたので初コースの不安はありましたが、レースでは外にドラゴンゴクウがいたので壁になってちょうど良かったです。