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第21回ローレル賞

2番手で折り合い直線抜け出す
  北海道の重賞ウイナーが貫禄示す

グランダム・ジャパン2歳シーズンのローレル賞は、12月31日に大井競馬場で行われる東京2歳優駿牝馬のトライアルでもあり、1~3着馬までが優先出走権を獲得できる。

単勝10倍以下に6頭がひしめき合う混戦ムードとなったが、メンバー中唯一の重賞ウイナーで4番人気のスティールルージュが、桑村真明騎手を背に勝利。北海道の角川秀樹厩舎は、15年モダンウーマン、16年アップトゥユーで連覇して以来の3勝目となった。

内枠にスピードあふれる無敗馬たちが揃ったが、中でもジョーストーリーがハナを切ると、スティールルージュは2番手でマーク。その後ろには1番人気のレディオガガ、併走する形でピンクプラム。5番手にプラチナプライドが続き、中団後ろから追走したクライオブデライトは8年前の覇者クライリングの初仔。向正面では縦長の展開となった。

「スタートも上手に出てくれて、1~2コーナーでちょっとハミを噛んでしまうところがありました。それでも、初めての左回りで馬も少し戸惑って走っていた感じで、逆に折り合いをつけられて道中運べたのが良かったと思います」(桑村騎手)

3コーナー手前から桑村騎手の手が激しく動いたスティールルージュだが、直線ではジョーストーリーをとらえて先頭へ。外からプラチナプライドが一完歩ずつ詰め寄ってきたが、これをハナ差凌ぎ切っての勝ちタイムは1分44秒5(不良)。4馬身差の3着はジョーストーリーだった。

スティールルージュは門別・フルールカップに続く2つ目のタイトルを獲得。2歳牝馬が、20時間近くをかけて長距離輸送を敢行し、コース、左回り、距離と初物尽くしの中で結果を出したのは、本当に立派だ。

一方、プラチナプライドにとっては大きなハナ差になってしまったが、休み明けでの初コースや初距離、初めて有力馬を追走する厳しい展開になりながらも、最後まで集中力を切らさず脚を使えたのは、今後につながる内容だったと言える。

「頑張ってくれました。直線では勝ったとも思う手応えでしたが、相手も伸びたし、僕のはジリジリでした。ハナ差だったので運もなかったですが、距離ももったしこういう競馬ができるのがわかったのは収穫として、次は巻き返したいです」(御神本訓史騎手)

母のノットオーソリティは北海道と南関東で重賞6勝の活躍馬で、プラチナプライドはその2番仔。母にも騎乗し重賞制覇を飾っている御神本騎手。今度はその娘で重賞を勝つ姿をぜひ見せて欲しい。

スティールルージュとプラチナプライドの再戦は、東京2歳優駿牝馬になる予定だ。

取材・文 高橋華代子

写真 築田純(いちかんぽ)

Comment

桑村真明騎手

全てが初物尽くしだったのでどういう競馬になるかはわかりませんでしたが、結果を見れば本当に強い競馬で勝てたので、馬には感謝しかないです。デビュー当時はカーッとなる馬で折り合いをつけるのも難しかったですが、今日はスムーズに折り合いをつけることができたので、成長を感じました。

角川秀樹調教師

本当に素直にうれしいですね。課題ばかりのレースでしたが、よく頑張ってくれたと思います。最後の直線は目をつむって祈りましたが、ゴールした時にはどうにか凌いでくれたんじゃないかと思いました。この馬の良さは、持って生まれたスピードを生かして、自分のレース運びができるところです。