web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第42回浦和記念JpnII

1番人気にこたえ逃げ切る
  地元タービランスが2着

浦和競馬場ではコロナ禍のなか、無観客競馬や事前申込制による入場で競馬を実施してきたが、この開催から事前申込をしない以前のスタイルに戻った(入場の際には検温や消毒を行い、マスク着用などの感染対策は必須)。

浦和記念JpnII当日は勤労感謝の日で祝日だったこともあり、1日で4926人が来場(滞留人員5000人の制限付き)。久しぶりに競馬場らしい賑わいを見せ、懐かしさと嬉しさを感じた1日だった。浦和記念JpnII・1レースの売上げも10億超えで、前年比181.1%と大盛況。

2.0倍の1番人気に推されたのは川田将雅騎手とメイショウカズサ。前走の白山大賞典JpnIIIでは、のちのJBCクラシックJpnI優勝馬ミューチャリーを抑え、レコード勝ちしていた。以下、ウェスタールンドや浦和のタービランスなどが続き、10頭中5頭が単勝10倍以下にひしめき合い上位人気が拮抗したが、終わってみれば、メイショウカズサの底力を見せつけられた一戦となった。

予想通り、最内枠からメイショウカズサがハナを切った。「性格がとても難しい馬なので、今日はあまり前向きになれていませんでした。機嫌が悪くて、ゲートもなかなか入ってくれなかったり、ゲートの中の体勢や出も良くなく、二の脚もあまりつかなかったので、結構強めに促して主張しながら乗りました。走り出してからは、やる気がない中でもなんとか走ってくれたなぁという感じです。終始気持ちを切らさないように、集中力を維持しながら走らせました」(川田騎手)

2番手にはメイショウダジン、その後ろにアメリカンフェイスやヴェルテックスが続き、5番手にはタービランス。ウェスタールンドは中団後ろから。

メイショウカズサは12~13秒台のラップを重ねていたが、残り600メートルでペースを一気に上げたところで後続を振り切ると、2着争いを尻目に、最後は2馬身差をつける完勝。勝ちタイムは2分7秒3(重)。2着がタービランスで、半馬身差の3着がヴェルテックスだった。

メイショウカズサは今年7月のプロキオンステークスGIIIで重賞初制覇を飾ると、前走の白山大賞典JpnIIIに続き3つ目のタイトルを獲得した。まだ4歳で精神面の成長も課題になってくるだろうが、それだけ未知の魅力も大きいと言えるだろう。

地方馬で唯一食らいついたのが、大将として臨んだタービランス。2歳時には門別でサンライズカップ、3歳では南関東一冠目の羽田盃を優勝し、ここまで通算7つの重賞制覇。脚元の不安で休養に入っていた時期もあるが、この馬の強さと関わる人たちの尽力により、ホッカイドウ競馬と南関東で走りながら8歳と年齢を重ねた今もなお一線級での戦いが続いている。悲願のダートグレード制覇を心待ちにしたい。

取材・文 高橋華代子

写真 宮原政典(いちかんぽ)

Comment

川田将雅騎手

能力は高い馬なので普通に走れればと思っていましたが、今日はとてもやる気がなかったので、なんとか勝ってくれたということだけが良かったです。高い能力を持っている馬なので、自分の力をちゃんと出してくれさえすれば、その波を作らないように、レースの中で対応していければと思っています。

安達昭夫調教師

ゲートでちょっとごねたのは初めてで、道中も気の悪そうな所を見せながら走っていたので心配でしたが、走り切ってくれて良かったです。走らない時は本当に走らないのでまだ信用が置けない所はありますが、力のある馬だと思います。今後については、オーナーと騎手と相談をして進める予定です。