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第60回ゴールドウィング賞

直線鋭く伸びて差し切る
  3歳戦線へ期待の高まる勝利

コロナ感染がしばらく落ち着いた状態にあり、多くの地方競馬では事前申請などなしで比較的自由に競馬場での観戦ができるようになってきた。名古屋競馬場では11月19日に行われた東海菊花賞から、騎手を除いてウイナーズサークルでの表彰式が再開され、さらにこの日のゴールドウィング賞では従来どおり騎手も表彰台に立っての表彰式が行われることになった。

その表彰台に立ったのは、笠松から参戦した2頭のうちの1頭、ドミニクの関係者だった。

地元名古屋勢は、11月16日のJRA認定セレクトゴールド第5戦で対戦したメンバーが8頭。そこで断然人気に支持されたミトノオオイが最下位に敗れてしまったことから、ここは一転、混戦の様相となった。

そのセレクトゴールドでは、1600メートルの最内枠ながらハナをとれず惨敗してしまったミトノオオイだが、今回は3番枠から主張しての逃げに持ち込んだ。スタートで気合をつけたぶん、前半はややムキになって走っていたようだが、向正面では折り合いがついた。

そのままミトノオオイが先頭のまま直線を向き、3番手から迫ったレイジーウォリアーも粘っていたが、ともに脚色は一杯。そこに外から一気に伸びてきたのが、中団5番手にいたドミニクに、11番手から位置取りを上げてきた10番人気の伏兵シノジマニヨラサイだった。名古屋の短い直線で並ぶ間もなく先行勢を交わし去ると、ドミニクがシノジマニヨラサイを半馬身差で振り切っての勝利となった。

人気の一角レイジーウォリアーが1馬身半差で3着。さらに3馬身離れて4着のミトノオオイは、1600メートルになって2戦続けての敗戦。管理する角田輝也調教師は「息がもたなかった。距離は1400メートルまでかな」と。

笠松競馬は1月中旬から長い開催自粛があり、再開されたのは9月8日。ドミニクは9月10日に今年笠松で最初に行われた新馬戦を勝利。続く秋風ジュニアは同厩舎・同馬主のシルバに1馬身半差の2着に敗れ、ラブミーチャン記念は他地区からの遠征馬2頭に先着されての3着だった。ただこのときは「返し馬からテンションが高く、スタートでも後手を踏んだから」と、後藤正義調教師。今回の勝因については、「調教でいつもシルバと併せ馬をして鍛えられたんじゃないかな」とのこと。

そのシルバは、11月11日に地元笠松の準重賞・ジュニアクラウンを6馬身差で圧勝してデビューから3連勝。秋風ジュニアでドミニクとワンツーのあと、馬主から2頭を使い分けようという提案があったという。

シルバの次走予定は、笠松1400メートルのライデンリーダー記念(12月30日)。一方、距離は延びてもよさそうというドミニクは、年明け1月18日、名古屋1600メートルの新春ペガサスカップになりそうとのこと。

笠松の有力2歳馬2頭を管理する後藤調教師は、東海ダービーでその2頭の再戦を見据えているようだ。

取材・文 斎藤修

写真 早川範雄(いちかんぽ)

Comment

向山牧騎手

調教がよかったので、あとは初めての馬場と輸送がどうかと思ったんですが、うまくいったみたいです。いい位置につけられたのですが、勝負どころで手応えがなくなって、だいじょうぶかなと思ったら、直線になってまた伸びてくれました。接戦になれば負けないので、勝負根性はある馬だと思います。

後藤正義調教師

前回はテンションが高くてスタートが残念だったんですが、今回は逆におとなしすぎて気持ち悪いくらい。それがどっちに出るかと思っていたんですが、3~4コーナーでも手応えがなかったので、これはだめだなと思って見てたら、直線向いたら伸びてくれたのでよかったです。