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エンパイアペガサス


高橋華代子

2022.01.20 (木)

「気になるあの馬はエンパイアペガサス」

新天地に到着(提供:佐藤牧場)

岩手の雄エンパイアペガサスは、2015年10月に岩手の佐藤祐司厩舎からデビュー。2021年12月までの現役生活の中で、3歳時には岩手ダービーダイヤモンドカップや不来方賞など重賞5連勝を飾ると、それ以降もみちのく大賞典3勝や桐花賞2勝。冬期間は浦和の平山真希厩舎へ2度移籍し、報知グランプリカップを勝ち平山調教師の重賞初勝利をプレゼント。

丸7年の現役生活で、地方通算50戦25勝、重賞は19勝。岩手競馬の歴代最多重賞勝利数を更新したそうです。

2021年の岩手競馬アワードでは初めて年度代表馬を獲得し、その称号を引っ下げ、2022年より種牡馬入り。父はエンパイアメーカー、母がステージトリック、母父はDistorted Humorという血統の明け9歳馬。

生まれ故郷・佐藤牧場(新冠)の佐藤信廣オーナーが所有したまま、Yogiboヴェルサイユリゾートファームで過ごし、種付けの際には白馬牧場で行う予定ということです。

「種牡馬の戦いがかなり厳しいことは理解しているつもりなので最初は前向きではありませんでしたが、名誉なことに岩手競馬の最多勝重賞記録を塗り替えたので、種牡馬という道も考えてあげなければいけないなぁと思うようになりました。血統的にも筋が通っていますし、力を信じての挑戦です」(佐藤オーナー)。

エンパイアペガサス引退式の様子
(提供:岩手競馬)

昨年12月31日にラストランだった桐花賞が雪の影響で中止になったものの、引退式は予定通り実施。1月7日の早朝に、新天地のYogiboヴェルサイユリゾートファームへ到着したそうです。

「乗り役さんはパワーがある馬と言ってくれていました。長距離戦を中心に使ってきてスタミナはありますが、佐藤調教師は1600mくらいが一番得意とも言ってくれていたので、スピードも持ち合わせています。ローテーションを守りながら使ってきて、無事是名馬というのはこの馬のことを言うのだろうなぁと思っています。

エンパイアペガサスの現役生活と同じ道を歩むような子供が生まれてきてくれればいいですね。そして、地方に限らず中央でも走るような馬が出てきて欲しいです。夢が膨らみます」。

佐藤オーナーをはじめ関係者、ファン、たくさんの人たちからの夢が託された岩手の雄。選ばれたほんの一握りの馬しかなれない新たな戦いのステージに挑んでいきます。

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など